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え、お前あいつのこと好きやったん、と驚いている友人を無視して外に出た。
電子タバコを吸いながら空を見上げる。
浮かんでくるのは彼女の笑顔ばかりだった。
もしも彼女が涙を流すことがあるのなら、その時は僕がそばにいたいと強く思った。
それから2週間。友人から彼女と正式に別れたと報告を受けた。
すぐ告白するん？と訊かれたが、もうお前には関係ないやろ、と笑って答えた。
僕はとりあえず、彼女の1番の友達を目指すことに決めた。
彼女がどれほど友人のことを想っていたか僕はよく知っている。ずっと見てきたから。
その友人に突然別れを告げられ、ひとり取り残された彼女をこれ以上混乱させたくなかった。
好きだと伝えたことによって、距離を取られてしまうことも嫌だった。
だから…あの3ヶ条を提示することにした。
楽しいこともしんどいことも、僕に共有してほしい。いつか次の恋に進めそうになったときに、僕を思い出してほしい。
3つめを伝えたとき彼女は戸惑っていた。
もしかしたら僕の気持ちはバレてしまったかもしれない。でもそれ以降も、彼女は今まで通り僕と接してくれたから、深くは気にしないことにした。
今朝もスマホを開くと、彼女からメッセージが届いていた。
"透くんおはよ。今日の夜、あいてる？3ヶ条2つめでお願いします！"
2つめ、ということは、なにか困っているらしい。
"了解(^^)"と返信をした。
お店は僕が予約すると言っても、珍しく彼女は自分が決めるといってきかなかった。
彼女が選んだのは個室の和風居酒屋だった。
狭い個室で2人きり、向かい合って座ると、あの日声をあげて泣いた彼女を思い出して胸がきゅっとなった。
「はい、今日は何でお困りですか？」
乾杯を終えたところで、彼女に問いかけた。
また仕事のことで悩んでいるのだろうか。
『うーん、それなんやけど…ごめん、もうちょっと飲んでからでもええ？』
予想外の答えが返ってきた。
これまで、こんな風に言われたことはなかった。
「あぁそう…わかった」
今日は、重い悩みなのだろうか。
僕はちょっとだけ身構えた。
彼女は口数が少ないし、僕もうわの空で、2人で黙々とご飯を食べる時間が続いた。
なんとか僕が軽くボケてみると笑いながらつっこんでくれた。そこは、いつも通りだった。
＿→←3ヶ条と彼女＿Toru_D(after"泣けない私と彼")
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
