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「阪本さん、大丈夫ですかね？」
「家でゆっくり寝ときって言うたんで大丈夫やと思いますよ。僕もこのあと様子見に行きますし」
それにしても、と彼のお友達は続けた。
「やっと好きな人とデートできるいうのに熱出すなんて、あいつもアホですよね〜！！」
「…うん？」
「アアッ！？！？！？ぼ、僕、今なんて言いました！？！」
こんなに綺麗に口を滑らせる人っているんやな、と思った。綺麗すぎて、私は逆に冷静だった。
だってそう考えれば、すべて辻褄が合う。
初めて店に来た日、なかなか目を合わせてくれなかったこと。
そして、ひとめぼれを信じるか訊かれたこと。
彼と一緒に来た先輩らしき人が、よろしくお願いしますね、と私に言ったこと。
そわそわしながら、食事に誘ってくれたこと。
約束をしたあと、嬉しそうに帰っていったこと。
完全にやらかした、と小声で呟きながらパニックになっている彼のお友達に私は言った。
「ありがとうございます、教えてくれて」
「いやぁ…絶対僕から教えたらあかんかったですわ…ごめんなさい…」
「阪本さんに、会いたくなりました」
「えっ？」
「会って、阪本さんから直接、阪本さんの気持ち聞きたなりました」
「それって…」
「だから私も一緒に行ってもいいですか？お見舞い」
「いやっ、いやいや、それはやめたほうがいいかもしれないです」
「なんでですか？」
「Aさんが来たら阪本…多分余計熱上がって、ぶっ倒れます」
「…それは…嫌ですね」
「今日はとりあえず、僕だけ行くんで。また…次の機会に、聞いてやってください、阪本の気持ち」
そう言うと彼のお友達は、じゃあ、と片手を上げて去っていった。
なんでちょっとカッコつけてんねん、と心のなかでつっこんだ。
いつもアイスコーヒーを頼む彼は、人見知りで、いい人で、ちょっと変。
不器用で、一生懸命で、優しいお友達がいる。
ううん…なんか長いなぁ。もっと簡潔に彼を表現することはできないだろうか。
あぁ、あるやん良い表現が。
納得した私はせっかくここまで来たんやし、と1人でランチをして帰ることにした。
いつもアイスコーヒーを頼む彼は、私の好きな人。
3ヶ条と彼女＿Toru_D(after"泣けない私と彼")→←＿
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
