∞闇月夜会∞《Dye D 》 (ページ7)

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隆平さんが、片付けをしてるのを見つめていて

私の視線に気付くと、優しく微笑んでくれるから

ドキドキして、でも嬉しかった

『お待たせしました。じゃあ、行きましょうか?』

『はい』

外に出る時に、openからclosedにドアの札を変えた

隆平さんと並んで歩いていた

明るさを感じて、見上げると。綺麗な下弦の月だった

光り輝く月に見惚れてたら、急に手に温もりを感じて

驚いて下を見ると

指を絡めて、隆平さんと手を繋いでいた

『Aさんが、月ばかり見て。俺を見てくれないから…』

低い声で言われて、隆平さんを見ると。キリッとした表情に変わっていた

恥ずかしくて、どう答えようと思っていたら

『可愛い』

優しく頬を撫でられて、ニコニコされた

それで、余計に顔が熱くなって

隆平さんを見ることが出来なくて、下に俯くと

いきなり抱きしめられて、おでこにキスされた

ビックリして、隆平さんを見上げると

『A。下に向かんと俺を見て…』

優しくキスすると、抱きしめられて

耳元に低い甘い声で

『早く、思い出して…俺と一緒に生きていた時を…早く、俺の名前を呼んで。』

その声に、抱きしめられる温もりに

何か思い出しそうで、でも靄がかかったみたいに

見えなくて、分からなくて…

『隆平さん、ごめんなさい。すぐに、思い出せなくて…』

素直な気持ちを言うと

『A、急かしてごめんな。逢えた事が嬉しくて、先走り過ぎた。』

私の頭をポンポンすると

『ゆっくりで、ええから。思い出してな…』

優しく微笑まれて、私も微笑んで頷いた

『Aの笑った顔。ほんまに変わらず可愛い。』

優しくキスされて、抱きしめられた

その温もりに、隆平さんの匂いに

凄く落ち着いて、安心する

暫く抱きしめられたままで、嬉しく思ってると

『このまま、居りたいけど。帰らなあかんな。』

淋しくて、ぎゅっとすると

『Aどしたん?俺に、甘えたくなった?』

何も言わず、私は隆平さんを見つめた

隆平さんの綺麗な顔が近付いてきて、目を閉じた

その瞬間、光を感じなくなった

驚いて目を開けると、暗闇の中に居た

隆平さんが居ない

何か気配を感じて、見ると

赤い目が光って、こちらに近付いて来た

怖くて、その場から動けないでいると

急に光を感じて、眩しくて目を閉じた

ゆっくり目を開けると、隆平さんが居て

『ようこそ、我が家へ。』

導かれるまま、手を繋いで中に入った