∞闇月夜会∞《Dye D 》 (ページ24)

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『雛！どこおるん?』

すばるさんの大きな声がして、私から離れて

ドアを開けると、

『俺の部屋!Aも来てるでー!』

それで、すぐにすばるさんが来た。私の近くに来ると

『ごめんな、遅くなって…。次は一緒にくるから』

頷くと、頭を優しく撫でられて。微笑まれていた

その優しさが嬉しくて、すばるさんを見つめてると

『仲ええな。でも、すばるの方がAの事。好き過ぎるな…』

その言葉で、雛さんが居たと思い出して。恥ずかしくなっていると

『そうや…。俺がAに惚れ込んでるんやもん』

すばるさんが言い切ってくれて、こんなに想ってくれて幸せだなと実感した。

『はい、はい。羨ましいことで…。熱々カップルやな』

くしゃっと笑って。でもすぐに、キリッとした表情になって、

『2人の邪魔して悪いんやけど、次の歌ってもらえる日の話、してもええ?』

『おん』

すばるさんと村上さんの2人で、話した方が良いと思って

私は部屋から出た。

十字架の前に行って、じっくり見ていた。

ふと見ると、杖が置いてあって。デザインが変わってるから

つい、近くで見たくて触れた。

一気に、走馬灯のように。前に見た夢の風景が思い浮かんだ。

でも前と違うのは、私に優しく寄り添ってる人がすばるさんじゃない

顔が霞んでよく分からない。

急な頭痛がして、その場に屈んでいると

『A、大丈夫か?』

村上さんだった。私を優しく立ち上がらせると

長椅子に座らせた。

『顔が真っ青や…。気分悪いん?』

凄く心配してくれてるから、何か言わないといけないと思って

『お兄ちゃん、大丈夫だから…』

言いかけた所で、優しく抱きしめられた。私は自分の言葉に驚いていた。

『A、思い出してくれたんや。嬉しい…』

その時に、ハッキリと懐かしい匂いは村上さんだと分かった。

『Aから、離れろ!』

すばるさんが、フラフラした状態で現れた。驚いていると

『嫌や。俺は、何百年もの間。この時を待っていた』

『雛!また、俺を裏切るんか?』

切ない声で言うと、村上さんは涙を流しながら

『すばるを裏切るつもりはなかった。あの時に後悔して…。償いたくて、お前を思いながら神父になった。』

『だったら、なんでや…』

『Aに逢って。笑顔見たら、あかんかった。』

『好きな気持ちは、抑えられへん。すばる、堪忍な…Aは俺が貰っていく』

私を抱えると、宙に浮いた。その瞬間、私は気を失った。