∞闇月夜会∞《Dye D 》 (ページ11)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:25,891 hit

“candle” ページ11

『A…俺は……』

『昔とは違うんや……』

『だから早く……』

優しい声で、憂いを帯びた目で、貴方は私をゆっくり離した

貴方を見つめていたいのに…。暗闇が私の邪魔をする

光が射した瞬間、貴方は…

懸賞で当てた、豪華客船の旅。日本の南の島に行くとはいえ

1人で行く事に悩んでいた

でも、運が良いのか悪いのか。長い休みを会社から、無理矢理取らされて

何とか行く決心がついた。

お母さんからは、お土産を沢山頼まれ。その上言った、一言が

"バカンスなんだから、恋が生まれるかも”

映画やドラマの見過ぎだと思う発言。ナイナイと否定したものの

少しだけ、期待をしていた

港から船に乗り込むと、煌びやかな内装。本当にホテルみたいだった

凄いなと思いながら、泊まる部屋に入った

1人にしては、広すぎる部屋に落ち着かなくて

船を探索しようと、少しきれい目な服に着替えると。部屋を出た

ショーを行う、広いステージがある会場。お洒落なバー

リラクゼーションルームに、ダンスホールまであった。

どこにも用事がないなと、海風に当たりたくて。デッキに出てみた

船の先端近くに行ってみる事にした。

風が強くて、帽子が飛んでしまった。海に落ちてしまうと慌てていたら

すぐに男の人が取ってくれた。私に帽子を差し出して

『お客様、どうぞ』

その人を見た時、あまりの綺麗な顔立ちに驚いて。言葉が出なかった

『大丈夫ですか?ご気分でも優れないですか?』

凄く心配されてるから、帽子を受け取ると

『すみません、大丈夫です。ありがとうございます』

優しく微笑まれて

『それなら、良かったです。何かまた、お困りの事があったら。いつでも、お申し付け下さい』

名刺を差し出されて

『私、この船の支配人をしております。横山です』

名刺を受け取って

『ご丁寧に、ありがとうございます』

距離の近さにドキドキして、恥ずかしいから

『帽子ありがとうございました。では、また…』

その場から離れようとしたら

『ディナーの後、ホールでダンスを皆様されるのですが。お客様も、如何でしょうか?』

『あの、私。1人で来ていて。それに、ドレスもありませんし…。すみま…』

断ろうとしたら、

『でしたら是非、私と踊って頂けませんか?ドレスもご用意しますので…』

微笑んだ後、王子様みたいに手を差し出されて

惹きつけられるように、手を重ねると

『はい。喜んで』

口が勝手に喋っていた