Are You Lady?《∞》 (ページ46)

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青空を見つめる。隣には大好きなあの人。

スマホを構えて、写真を撮る。

私も真似して、写真を撮った。そして、いつも通り

見せあって、お互いにどれが良いか決めて

私の青空のベストショットは、あの人のスマホの中。

あの人の青空のベストショットは、私ではない

あの人が大好きで、一番の場所に送られた。

私は、空を撮る真似をするようになって、

どんどん、空にハマって、色々な表情を撮りたくなっていた。

だから、あの人に逢えない時、メールと一緒に

今日の気に入った空を送っていた。

それは勿論、青空だけではなく。夕焼けの時や、月が綺麗な夜。

黒い雲に覆われてたり、晴れて綺麗な虹が出た時など。

共有する事で、側にいてくれるような。そんな気持ちになっていた。

あの人との出逢いは、いつもと変わらない。

私の日常の中だった。

私は、繁華街からだいぶ離れた。分かりにくい場所の

老舗のBARで働いていた。

お客さんも常連の人ばかりだった。

そこのマスターに惚れ込んで、私は弟子入りして

今は修行の身だった。

お客さんは、みんな私より一回り以上。年上ばかりで、

綺麗にスーツや、お洒落に服を着こなしてる人ばかりだった。

会話も知的で、悪酔いする人も殆ど居なくて、

仕事の肩書きも、凄い人ばかりだった。

なので、私も会話に入る為。経済新聞読んだり

TVのニュースを録画して。ネットニュースも小まめに見ていた。

私が元々、金融系の仕事だったから。

その手の話になると、少しは答えれてたので、

おじさま達には、気に入ってもらえていた。

ある日、急に入ってきたお客さんは、私よりも若そうで、

顔が凄く整っていて、綺麗にスリーピース・スーツを着こなしていた。

掛けている眼鏡も、琥珀色で知的に見えた。

『いらっしゃい、久しぶりだね。元気だったの?』

マスターは知っているみたいだった。その男の人は、キリッとした表情から

優しい表情に変わって、微笑みながら

『マスター、ご無沙汰してます。中々、お店に来れなくすみません。』

『最近、何かとバタついてて。家と仕事場を行き来きしてたから…』

『良い事じゃない。仕事が沢山、舞い込む事はいい事だよ。今迄の努力が報われたんだね。素晴らしい!!』

『ありがとうございます。』

照れたように笑って、マスターと暫く談笑していた。