Are You Lady?《∞》 (ページ35)

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《Lasianthus fordii》ページ35

特別なんてない、そう近頃は思って過ごしてた

遅れた夏を取り戻す為、私は遠く離れた

あの人も大好きな。綺麗な海の、この場所に来ていた

まずは、一番の目的地に向かった

予約をしていたから、早めに終わった

次に、景色が良いカフェを訪れた

綺麗な青い景色に心が癒された

ホテルに着いて、簡単に夕食を済ませて
あの人が教えてくれた。砂浜に行ってみた

誰も居ないから、水着を着てたのを思い出して、海に入った

海の中は気持ち良くて、水の音も心地いい
目を瞑ると更に、色々と身体に感じて
この水の世界に浸ってしまっていた

いきなり誰かに、後ろから抱きしめられた

驚いて声が出ない、目も開けられない

波の音だけ聞こえてきて、あの人に逢いたかったなと

怖くて、涙が溢れそうになった時

『A。』

大好きな人の声、不思議と近くで聞こえる

『A、大丈夫?』

それでやっと分かって、目を開けた
私を抱きしめてる腕を見て、安心して

『章大?』

『おん。』

『どうして?仕事は?』

『明日休み。でも、無理言って休んできた』

『えっ。大丈夫なの?』

『おん。』

ふと見ると、揺れる水が月明かりでキラキラしていた。綺麗だなと見惚れてたら
私を優しく自分の方に向けさせて、引き寄せて

『A。』

章大を見上げると、髪が濡れて、手櫛でオールバックになっていたから
男前度が増して、ドキッとした

『A、お誕生日おめでとう!』

言われた事に驚いて、返事が出来ないでいると

『ごめんな。当日も祝えなくて…。せやから、俺。2人のお祝いを今日って決めてん。』

『どういう事?』

『Aと俺の、誕生日の間の日。0時超える時を、2人の誕生日って事にしたんや。』

ますます、？だらけだった。ニコニコ笑顔で

『29と11の間って事やで。せやから、4から5。』

章大独自の考え方だと分かって、おかしくて笑ってたら
キスされて、驚いて見上げると

『A、お誕生日おめでとう!』

『ありがとう。章大もお誕生日おめでとう!』

『ありがとう。』

私を強く抱きしめると

『凄く嬉しい♪A愛してる…』

長い甘いキスをした

海から上がると、私はすぐ

『プレゼント。』

すると章大が笑って、鞄から出しきて

『俺も、プレゼント。』

同じ青の波模様の、手作りの琉球ガラスのコップだった

『ホテルに帰ったら、コップで乾杯やな♪』

私が頷くと、指を絡めて手を繋いで
微笑みながら、ホテルに帰った