Are You Lady?《∞》 (ページ27)

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侯隆さんにも久しぶりに会ったから、信五さんは暫く話をしていて

私はただ、2人の会話を聞いていた。本当に仲良く楽しそうに話ているから

昨日の出来事が夢で、私と侯隆さんの間には何もなかったように思えてきた。

でも、時折。信五さんに分からないように、侯隆さんに微笑まれたり。口パクで“大丈夫”と言われて

夢じゃなかったんだと嬉しかったけど。信五さんが居るから、近くに居ても触れる事が出来なくて、もどかしくて、しんどかった。

侯隆さんは腕時計を見ると

『ごめん、村上。ちょっと、用事があるから俺行くわ。』

ワインを私に渡すと

『じゃあ、またねAちゃん。村上も、またな!!』

笑顔だけど、瞳は淋しそうだった。私も同じ気持ちだったから、良く分かる。

そんな事を知らない信五さんは、くしゃっと笑顔で

『今日は、ステーキ食べようとしてたん?』

私のカゴを見て言われて

『うん。夏バテで食欲落ちてたんだけど。今日は、お肉食べれそうな気がして…。』

『そうなんや。電話でA、何も言わんから知らんかったわ。大丈夫なんか?』

心配されて、優しい信五さんに嘘をついてるから、本当は泣きそうになってた。

『うん。大丈夫!』

『じゃあ、奮発して。俺が一番ええ肉、こうたるわ。あと、Aの好きなケーキも買いに行こな♪』

信五さんの私に惜しみなく注がれる愛情と優しさが、今日は受け止める事が悪い気がして、しんどくなっていた。

買い物して、信五さんのマンションに向かった。

リビングに入るなり、抱きしめられて

『Aに、やっと触れることが出来た。ずっと我慢しとった。』

『A…』

信五さんを見上げると、おでこにキスされて

『好きや…。今日は一時も離れんと、俺の側にずっと居ってな。』

優しく抱きしめられて、背中を撫でられていた。私は複雑な気持ちだった。

信五さんが落ち着いたのか、腕を緩めると優しく笑って

『ごめんな。可愛いAとおったら。愛しすぎて、離したくなくなるんや。』

『あっ、そうそう。Aに、嬉しいお知らせがあるんや♪』

『何?』

『俺、暫く。日本で仕事出来るようになったから。やっと、Aの美味しい手料理が毎日のように食べれるわ。楽しみや…。』

私の心の中で、何かが崩れ堕ちた。

Happy ending? Tragic ending?

To be continued……