××エンド、××ルート (ページ10)

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開けようとした扉から翔太が出てきて鉢合わせた。

思わずその場で固まってしまった私を見て、翔太が訝しげに眉をひそめる。

「⋯⋯なに、どうした？」

『いや、なんでもない、』

「あっそ。」

⋯⋯⋯⋯いつもの翔太だ。

あんな猫撫で声なんて出さないし
間違っても私を抱きしめるなんてことはしない。

ふらふらと出ていった背中を少し眺めた後、楽屋に入る。

もうメンバーは全員揃っていた。

「レッスン場で熟睡してたって？照が心配してたよ」

そう言ってきたのは舘さんだった。

照は舘さんを兄のように慕っているし、私が舘さんと同期だという事もあって意外と筒抜けになったりする。

「疲れてるんじゃない。番組でも体張ってるし、お前そういうキャラじゃないでしょ」

『⋯⋯キャラって、』

その言葉に少しだけムッとして舘さんを見上げた。

そういうキャラじゃなくても頑張らないといけないんだよ。⋯⋯たとえ誰も分かってくれなくても。

疲れてるなんてそんなの自分が1番分かってるよ。

きっと舘さんにこの気持ちを全て吐露しても、何も言わずに受け止めてくれるんだろう。
彼はずっとそんな人だ。

『大丈夫。そういうキャラにしていく、、予定だし』

なれるかどうかは別として。

これからずっと負け戦を続けていく運命なのだから。