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事務所の中でもスタッフしか行かないような、地下の階層。
今は誰もいないの薄暗く静寂に満ちていて
少しだけ不気味だった。
"A！"
『やっ！？！？』
名前が呼ばれて声が出る。
幽霊！？なんてことは無く、普通に聞き馴染みしかない声だ。
照の声。
どこからか照が私を呼んでいる。
薄暗い廊下の壁沿いを伝いながら、声がする方に歩き出す。
声は段々と鮮明に聞こえてくる。
それに比例して私の足も速くなっていく。
そして。
『見っけた、、』
廊下の奥にある白い扉。
その上にぼんやりと浮かぶ非常口マーク。
ただし、緑じゃなくて青色だが。
きっとあれがこの夢の出口。
今まで気を使っていた足音も気にせずに走り出す。
何の変哲もない扉。
そのドアノブに手をかける。
そのドアノブに力を込めかけた瞬間、
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ！
「Aっ！！！待て、待って、ねぇ、」
バタバタと階段を駆け下りる音がして振り向くと、息を切らす彼の姿。
ドアノブに手をかける私の姿を見ると、狼狽して縋り付くように声を出した。
彼がここまで来るのと、私が扉を開ける、
どちらが早いかなんて分かりきっていた。
「急に引きずり込んだのは謝るから、やだ、いかないで、」
『引きずり込んだ？どういうこと？』
「それは⋯⋯」
『教えて。教えてくれたら、、行かないから』
「、マジで？」
私は頷く。
それを見た彼の頬がみるみる緩んでいく。
⋯⋯⋯⋯本当の翔太なら、私のこんな嘘なんて見抜けるだろうに。
やっぱりこの翔太は偽物なんだ。
「ここは、この世界は、、」
ドアノブを握る手に力を込める。
彼には聞こえていないんだろう。
この扉の奥から私をずっと呼んでいる照の声が。
言葉を聞いたら扉を開ける。
「Aの「なべぇ」」
第三者の声に彼が振り返った、その瞬間。
私は扉を開けた。
＿＿＿＿＿ルート成功
ルート回避
「初見殺し 3」 "渡辺翔太に騙される"
「隠れ鬼 1」 "隠れ場所からすぐに出る"
「失敗」 "追跡者に捕まる"
「侵入者 3」 "事務所の大人に見つかる"
「嘘に絆され」 "渡辺翔太の交換条件に頷く"
「届かぬ声 7」 "？？？の声に気づかない"
「悪友」 "？？？と渡辺翔太が揃う"
シークレットルート
「神出鬼没」 "事務所内で？？？と出会う"
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作者名：シナモ
| 作成日時：2024年3月23日 18時
