××エンド、××ルート (ページ14)

今日:61 hit、昨日:77 hit、合計:45,959 hit

・ページ14

『わぷっ！』

突然落ちた体に呻く。

慌てて辺りを見渡すと、見知った荷物。

え、、ここって。

「ええっ！？」

⋯⋯と、まだまだ見知った顔の彼。

机から顔を上げ、驚いた表情で私を見つめている。

私は慌てて立ち上がった。

意味が分からないけど
元の世界には戻ってきていない事は確実だから。

その証拠が目の前にいる阿部ちゃんだ。

ペンを置いて立ち上がった彼は逃げ出そうとする私を見て手を伸ばした。

「ちょ、待って！今出たら危ないよ。
もうすぐ全員が戻ってくる。俺に考えがあるんだ。ね、お願い。俺を信用して欲しい」

『⋯⋯一応聞くけど、考えって？』

「ソファの裏に隠れるんだよ。俺が上手くみんなを追い出すからさ、それまでじっとしててくれればいい」

彼が笑う。

どこまでも似ているのに、どこまでも似ていない。

それに2度も同じ轍を踏むか！

『無理！』

感情のままに叫ぶと
扉に駆け寄って楽屋から飛び出す。

一瞬だけ視界に捉えた彼は表情を消したものだから、きっとこれが正解だった。

また迷い込んでしまった。

同じなのに違う世界に。

私はまた、ここで夢の出口を探さなければならない。