キャラメルソルト・シュガー 5 (ページ9)

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⋯⋯⋯⋯痛かった。きっと。

ふらふらと当てもなく廊下を彷徨う。

きっと今の私は酷い顔をしているだろうから、
誰にも会いたくなかった。

「A？」

それでも呼ばれた名前に俯いていた視線をあげる。

私を顔を見た途端、顔色を変えて駆け寄ってきたのは髙地だった。

私の頬に手を当てて怖い顔。

髙地「なに、これ。誰にやられた。まさか、アイツら？」

『⋯⋯ちょっと掠っただけだよ』

すごい衝撃だったけど。

日本語って難しいよね、と笑っても
目の前の髙地は全然笑ってくれなかった。

⋯⋯しょうがないよ。

今いるグループから他のグループに、しかもあの先輩グループになんて簡単に了承してくれるわけがない。

"俺らは？俺らはどうしたらいいの？"

って泣きそうな顔をしたのは最年少だった。

他のメンバーも察したのだろう。

掴まれた腕、吐かれた言葉、向けられた表情。

振り上げられた手。

髙地「幸せになれないよ」

『え？』

髙地「アイツらはAの事を大切にしてくれないし、
Aも、、自分の事を大切にしないから」

髙地が私の腕を掴んで歩き出す。

掴まれた腕はとても優しくて、ツンと鼻の奥が痛くなった。