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青椒肉絲の香ばしい匂いと、カチャカチャと食器の音。
「お客様なんやからくつろいで!」なんて言われてしまったけれどやっぱり落ち着かない。
ラウールは何も気にせずにYouTubeを観ている。
⋯⋯そういえば今日は水曜日だった。
康二に根負けして家まで来てしまったわけだけど。
これは正解だったのだろうか。
マネにも協力してもらって最大級の警戒をして。
メンバーにも不思議な事を口々に言われ。
ラウール「なになに、何見てるの?」
『うわっ!っと、ペットカメラ。ちょうど自動給餌器が動く時間だからさ』
いつの間に背後に居たラウールに答えると、スマホの画面を見せる。
ペットカメラと接続されたスマホの画面には
私の家の映像がリアルタイムで映っている。
その小さな画面の中で一際目立つ、白いもふもふ。
ラウール「えぇ!可愛い!ってかデカいね!噂のゆきまるくんだ!」
事情で飼えなくなってしまった知人から譲り受けた犬。
もふもふの白い毛が特長的なサモエドだ。
ラウール「こんだけ大きいとお世話とか大変じゃない?毛とかやばいし。ブラッシングとか毎日するでしょ?」
『まぁ生き物だしね。佐久間くんも可愛いって言ってくれてね、私がどうしても数日家を空ける時とかは私の代わりに餌をあげたりしてくれんの』
ラウール「⋯⋯⋯⋯え?待って、それって佐久間くんはAちゃんの家にお邪魔したことあるってこと?」
『まぁ、、』
ラウール「はぁ!?!?危ないじゃん!」
『メ、メンバーなのに?まぁペットカメラは防犯カメラにもなるし、』
ラウール「もう!」
違うらしい。
それにしても本当に大人になったな⋯⋯スマホを覗き込む横顔を見て改めてそう思った。
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小袖(プロフ) - 紅二点、二人とも幸せな形で落ち着いてくれれば良いなと親目線で見ています。お話の続き楽しみにしてます! (3月17日 20時) (レス) @page2 id: 85c8a13628 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シナモ | 作成日時:2024年3月14日 18時