キャラメルソルト・シュガー (ページ26)

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迷惑をかける訳にはいかない。

でもそれは独りよがりだったらしい。

宮舘「⋯⋯いや顔色悪っ、嘘でしょそれで隠し通せると思った？」

美兎「Aちゃん熱ある！」

楽屋に戻った途端、私の顔を見た舘様とミトちゃんが顔色を変えて近づいてきてそう言った。

その声が楽屋に響くと今までわいわいと喋っていたメンバーが一人一人と立ち上がる。

その一人一人が私の顔を見た途端に顔色を変えるものだから少し面白くなってしまう。

でも上手く笑えなかった。

佐久間「はいダメー。
完全にアイドルの顔してないよ」

康二「うわぁ！！顔真っ赤なのに指先震えてるやん！はよ座りっ！」

深澤「暖房！え、寒いよな？暑い？」

わかんない。

深澤「分かんないってなにぃ！？」

口に出てたみたいだ。

自分の行動と心が離れてるような奇妙な気分。

阿部「ふっかうるさい。

ちゃんと冷やした？」

『うん』

阿部「見せて」

『っえ、？いや、首元、うわっ！？』

マジか阿部ちゃん！？

ぐいっと首元を引っ張られて
急に阿部ちゃんとの距離が近くなる。

ふわふわしてた気分が拡散した。

美兎「りょうちゃんもっと優しくして！」

佐久間「いやいやそこ！？」

渡辺「阿部やってんな」

息をするのが躊躇われるくらいの近さで見る阿部ちゃんは本当に綺麗で。

知的な三白眼が私の首筋を見つめる。

『ひぇ、、』

細い指が私の首筋を撫でた。

「いやん！」とラウの声。

阿部「軽くだけど凍傷になってるよ。もしかして氷そのまま当ててた？」

『⋯⋯あぁ、』

だって冷たくないから。