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ページ11

「はーいじゃあ今回はここまで!
フリ覚えてない奴は次までに頭に叩き込んで来いよ〜!」






振付師さんの声にビクッとあからさまに肩を震わせたのは康二くんだった。





隣で踊る舘さんやふっかさんに何回か聞いていたけど
今回も案の定、完全に覚えきれなかったらしい。








SnowManの振り覚えのスピードがえげつないから毎回必死なのだ。






レッスン室から出ていくふっかさん達を康二くんはちらりと見ると決心したように鏡の方へと向かっていく。





それに気づいた阿部ちゃんが一瞬足を止めたけど、私と目が合うとニコリと笑って手を振った。





うん、ごめん。




今回は私にやらせて。







康二「A⋯⋯でも怪我しとるし、」




『とりあえず最初からやってみよっか。普通のダンスなら支障ないから大丈夫』




康二「そう、なん。⋯⋯ありがとうホンマに」




『うん。』





どうしてもメンバーに遠慮しがちな康二くんだからこそ
こうやって寄り添ってあげたくなる。





迷惑かけたくないって気持ちは痛いほど分かるから。







⋯⋯私もあの頃は必死にみんなについて行こうとしていた。





でも結局、私だけが。

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作者名:シナモ | 作成日時:2022年11月28日 21時

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