キャラメルソルト・シュガー (ページ33)

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痛くない。

熱くもないし、冷たくもない。

なのに体が重くて力が入らない。

自然と涙が零れて、

なんだか息がしづらい。

目黒「A、大丈夫だから、ごめんな無理させて」

めめがしゃがみこんで背中を摩ってくれている。

こんな場所で膝をつかない方がいいよ、って言いたいのに言葉じゃなくて意味の無い音しか出せない。

メンバーが来てしまう。

翔太くんが、来ちゃう。

私のこの姿を見られてしまう。

何も言いたくないよ。

何も聞かないで。

『や、だ、見られたくない、やだ、』

こうやって、

この大きな影にずっと隠れていられたら。

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀと沢山の足音が近づいてくる音がする。

仄かにコーヒーの匂いがした。

目黒「⋯⋯わかった」

その瞬間、

目の前が真っ暗になってふわりと身体が浮かんだ。