【病み】その声はわたしだけの『朝比奈まふゆ』 ページ4
『あの曲が伸び始めたの、あの子が歌ってからだよね』
『あの子って、"歌ってみた"投稿してくれてる？』
『うん、私もそうだと思う。私たちの曲に合う声質だよね』
ナイトコードに埋められていたチャット履歴を、朝比奈まふゆは虚ろな目で見つめる。
最初こそ特に感じなかったあの歌声に惹かれたのはいつだったか、まふゆにはわかるはずもなかった。
以前書いた詩に、奏が曲をつけてくれた、あの歌を彼女が歌ってから。
「……"私たちの曲"？奏、何も分かってない」
―――彼女は、どこかおかしい。
「私の詩が、あの声に合うんだよ」
予備校終わりの帰り道、最近の日課となっているルート。
裏道を抜けて、小さな公園に出ると、この時間に歌声が聞こえる。
煩わしく感じさせない、街のBGMと言えるほどのその声に耳を傾けて。
「……あっ、まふゆさん！また来てくれたんですね！」
「……うん、今日もここで聞かせてもらっていいかな」
「もちろんです！今日も練習中のニーゴの新曲があるんで！」
まふゆの貼り付けた笑みに気づかず、嬉しそうに出迎えたAが歌う。
自分の詩を、楽しそうに、嬉しそうに歌う―――自分に向けて。
「あれ、誰かうたってるのかな？」
「えっ、こんな時間に？」
彼女の歌声に惹かれるの人々は大勢いる。
それを誇ることもなく、無邪気に声をかけようとしたAを―――まふゆは、止めた。
「……まふゆ、さん？」
「……ごめんなさい、もう少しだけ聞いていたくて」
―――私だけが、あなたの声を聞けたらいいのに。
この子をあの世界に閉じ込めて、自分だけに永遠と歌っていたら。
何故こんなに固執してしまうのか……何も感じないまふゆには、いまだにわからない。
「もう少しだけ、私のためだけに、歌って欲しいな」
「……えへへ、そんなに気に入ってくれたんですか？」
照れくさそうにする彼女に、まふゆはまた笑みを貼り付けて"そうかもしれないね"と。
そんなまふゆに、Aは再び歌い始めた。まふゆのためだけに。
後日、Aはまふゆに歌った曲を、同じように歌ってアップした。
『最近練習を見に来てくれるお姉さんにむけて！って気持ちで歌いました！』
『この詩も、すっごく素敵で魅了されちゃいますよね』
―――ほら、あなたも私とおなじ。
いつまでも、私の詩を歌うの。
その声をいつか、私だけのものにするために。
パソコンに埋め尽くされたAの写真にむけて、まふゆは初めてその微笑みをむけた。
【想い】いつかこの笑顔を世界に『ワンダーランズ×ショウタイム』→←【恋愛】あいつは"別"だから『東雲彰人』
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Dusk - リクエストいいですか？レオニに路上ライブを見られた夢主お願いします！ (2021年10月17日 22時) (
レス) @page7 id: e24bfcdde1 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - リクエスト最高です！またリクエストします！その後の話でまふゆちゃんみたいに優等生と無表情を使い分ける夢主さんと夢主さんが戻ってきて安心するワンダショメンバーをリクエストします！更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年10月13日 5時) (レス) id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
さとか - まなみさん» リアルと言って貰えて安心しました。リクエストもありがとうございます。順番になりますが、書かせていただきます！ (2021年10月11日 19時) (レス) id: a226c7652f (このIDを非表示/違反報告)
さとか - ツクヨミさん» またまたリクエストありがとうございます！順番に書かせていただきますね (2021年10月11日 19時) (レス) id: a226c7652f (このIDを非表示/違反報告)
さとか - 月兎さん» ありがとうございます。追加のリクエストも嬉しいです！また書かせて頂きますね (2021年10月11日 19時) (レス) id: a226c7652f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとか | 作成日時：2021年10月10日 9時
