出会い ページ9
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彼と出会ったのは2016年の春の日だった。
その時私はジュンギュとヒョソギオッパ、スヨンオンニと4人で練習室で休憩していた。
『あーーー練習したくない。』
『スヨナ〜そんなこと言ってたらデビューできないぞ。』
『だってーー、しんどいじゃん?』
『ヌナ、甘いよ甘いよ。』
「2人とも厳しいね〜ㅋㅋ」
練習生になって3年が経った頃、毎日辛い練習に追われていた私達。本当にこのまま続けてもデビューできるのか、そう思っていた。
もちろん大手の事務所なだけに辛い練習生期間は長くなることは覚悟していた。しかし、これ程先の見えないものだとは思っていなかったので辛い。
「なんか楽しいことないかな〜。」
そう呟いた瞬間、一人の男の子が練習室へ入ってきた。
『オモッ、間違えたかな…。すいませんお邪魔しちゃって…。』
『いや、大丈夫だけど…見ない顔だね。新しい子?』
『あ、先週から練習生になりました。
00年生のパクジフンです。よろしくお願いします!』
『00年か!Aとジュンギュと一緒じゃん!
私は99年生のイスヨン。よろしくね。』
『同じく99年生のチェヒョンソク。よろしく!』
「あ、00年生のAです…。どうも。」
『キムジュンギュ。00年生。よろしく。』
パクジフン。そう名乗る彼は本当に同い歳か?と思うほど幼い顔をしており、それにずっとニコニコしていた。第一印象は変なや『変な奴。』
瞬間、ジュンギュに心の中を読まれたような気がした。
でもそういう訳ではないらしく、ただジュンギュも同じことを思ったらしい。
『ちょ、やめなよジュンギュ。』
『何ヘラヘラしてんの??そんなに面白い事あった?』
ジュンギュが身内に優しく他人とは壁を作るのはいつもの事だから私は気にとめなかった。
でも、一般的に見たらこの言い方をするジュンギュも、それを黙って見ている私も性格が良くないわけであって一緒にいたオンニ達は黙っていなかった。
『ごめんな〜こいつ今反抗期で…。』
『いえ。ただ皆さん仲良さそうだなーと思って笑ってただけなので!それではお邪魔しました!』
そう言って去っていく彼。
嵐が突然来て突然去っていったように感じた。
『何だあいつ。』
そう呟くジュンギュに珍しく共感した。
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作者名:ゆるり | 作成日時:2023年1月31日 23時