気持ちとは裏腹に (ページ3)

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収録が終わり、直ぐに着替えて移動の車に乗り込む。
活動時期になると移動中しか食事や仮眠を取る暇がないので、この時間は重要だ。

「ユヨン、もうちょっと食べな。倒れるよ。」
『はーい。でも、そういうオンニこそ全然食べてないけど大丈夫？』
「私は大丈夫。宿舎出る前にパン食べたの。」
『そっか！』

いつからだろうか。
大丈夫という言葉が口癖になり、人を頼らなくなったのは。

人を傷付けたくなくて、裏切りたくなくて、いつの間にか人と一定の距離を作るようになった。
いや、傷つけられたくなくて、裏切られたくなくてが正解だと思う。

嘘でまみれたこの弱い人間を、知られたくなくて、知られるのが怖くてメンバーとも一定の距離を取ってしまう。メンバーには気づかれていないし皆これが素の私だと思って接している。
申し訳なさとともにありがたさも感じる。
スヨンオンニだけは私がどういう人間か知っているしそれを知った上で見て見ぬふりをしてくれている。

今日はあっという間の一日だった。
活動日初日はいつも一瞬で過ぎる。
朝、まだ暗い時間帯に宿舎を出て次に帰ってくるのは日が過ぎた頃。一日は24時間じゃ足りないと何回思っただろうか。

寝付こうとベッドに入ったのは26:00頃。
朝ぶりに開くスマホを見れば、また友人達から連絡が。

"見たよ。今回もAが1番やったわ。"

"珍しいコンセプトだね。可愛かった。"

"来週の収録で会えるな！それまでお互い頑張ろ！"

朝の続きでアサヒとジュンギュから。
そしてヨシくんからも連絡が来てた。

"ありがと。でもそんな事ないよ。"

"嬉しい。ありがとね。"

"うん。早く会えるといいね。頑張ろう。"

それぞれに返信をするとスマホを閉じた。
目を瞑るとさすがに疲れていたのか直ぐに寝ることが出来た。