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「声が出なくなったまっすーは、もう隣に立てない？」
「え？」
「もう歌を一緒に歌えないまっすーは、手越の隣に立てない？」
慶ちゃんの質問の意味が分からず聞き返すと、改めて言い直された。
でも…
「待って、なんでまっすーが俺の隣に立てないみたいになってるの？」
「え？だってそういうことじゃないの？」
「違う、むしろ俺がまっすーの隣に立つ資格がないんだよ、」
「え？」
慶ちゃんもシゲも、予想外とばかりに、きょとんとした顔をする。
そして俺は、昨日感じたことを話し出す。
「今までは、なんとなくだけど、まっすーの言いたいことが分かってた。でも、昨日久々に会ってみて、俺、まっすーが何言いたいか分からなかった。」
読み取ってあげないといけないのに。
感じ取ってあげないといけないのに。
俺にはそれができなかった。
「傷つけた上に言いたいことも分からないようじゃ、俺、こんなんじゃまっすーの横に立つ資格ない。“まっすーが”じゃない、俺がまっすーの隣に立てないんだ。」
一通り話すと、慶ちゃんとシゲはお互い顔を見合わせる。
「……だそうですが、どうします？加藤さん。」
「どうしましょうか、小山さん。」
はあーーっと2人は大袈裟にため息をつく。
「え、なになに？」
「本当、あなた達はめんどくさいというか、なんというか。」
「ま、似た者同士ってことだろ？」
「え？」
「昨日、まっすーから送られてきたメール。」
そう言い、慶ちゃんは携帯のメール画面を表示させた。
そこには…
『 手越が来た。もっとちゃんと話したかったけど、やっぱり怒らせちゃった。』
『どうしよう、小山。』
『俺、もう手越の隣に立つ資格ない 』
「……ぇ？」
いつものブログみたいに、可愛い絵文字なんて１つもなくて
簡素で質素だけど
でも、
その文字からは不安が滲み出てて…。
呆然とする俺を見て、慶ちゃんは穏やかに微笑み、続ける。
「分かった？つまり、あなた達はお互いがお互いを気遣い過ぎて、それぞれ隣にいたいって思っているくせして、お互い自分は隣に立つ資格がないって思い込んでたってわけ。」
「…っ、じゃあ、じゃあ、まっすーは…！」
バッと顔を上げた俺に、慶ちゃんは続ける。
・
「まっすーも手越の隣にいたいって、そう思ってるよ。」
・
「……っ！」
…
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さく(プロフ) - はさみのりさん» これからも応援してます！素敵なお話ありがとうございました。 (2018年8月1日 1時) (
レス) id: f81c7981b1 (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - はさみのりさん» これからも素晴らしいお話待ってます！ (2018年7月29日 17時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - さくさん» 返信がおそくなってしまい、すみません(><) とても嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - きみえさん» 返信が遅くなってしまい、すみません(><) はじめてだなんて光栄です…！こちらこそご覧いただきありがとうございました！ (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - こんなに泣いたのは数年ぶりくらいというくらい、とにかく涙が溢れました。本当に感動しました！大好きなテゴマスの歌、声についてという重めな話題なのに、最後は幸せな気分になれました。素敵なお話をありがとうございました。 (2018年7月21日 9時) (レス) id: b4952ba7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はさみのり | 作成日時：2018年6月5日 14時
