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「なんで…って…お前に会いたかったからに決まってんだろ!?」


「何それっ…!?まっすーは生きてる!俺と違って生きてる!!そんな無駄なことしてないでちゃんと生きてよ!!」




お互いがお互いのことを大事に想っていることも分かってる。



大事に想っているからこそ、こうして言い合いになるんだ。





いつもだったら俺は引く。



険悪になりたくないから。


気まずくなりたくないから。



俺が身を引いて、それで手越が満足するなら、それでもいいやっていつもなら思う。






でも、






今回は絶対に引いてなんかやらない。







「無駄なことってなんだよ!?お前はまだ意識不明ってだけで、心臓が止まったわけじゃない!まだ間に合う!帰ってこいよ!」




「…っ!無理だよ…。」





「なんで!?」





「だって…出番じゃないもの…。」





「出番…?」






「まっすーが出ていくとき、声がしたでしょ?出番ですって。ほら、いまだって。」





『増田さーん。出番でーす。』






「俺は呼ばれない。だから、行っちゃダメなの。」






「なんだ…よ…、それ…。」




なんだよ、それ





「よく分からないけど、言うならばここは意識だけの世界…。ここにいる限り向こうの俺が目を覚ますことはない。」




手越は静かな声で話す。




「身体の準備とか容態が安定した時、こうやって出番を告げられるんだ。まっすーは今回自転車にぶつかっただけで軽症だったからすぐ呼ばれたんだよ。

でも俺はもう……たぶん呼ばれることはない。」






あの時も俺が先に名前を呼ばれた。





車が突っ込んできたのは左から。



手越は助手席にいた。



俺と手越、どちらが重症かなんて分かりきったことじゃないか。



「……っ…。」









どこか諦めたような




乾いた笑顔で、




乾いた声で、





お前は1番聞きたくない一言を言う。









「まっすー、最期に一緒に歌えてよかった。」









だから行って。そう言い、








あの時みたいに背中を押した。



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はさみのり(プロフ) - ぽよよよんさん» わわ、ありがとうございます!今後ともどうぞよろしくお願い致します!m(__)m (2017年8月15日 14時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよよん(プロフ) - 完結おめでとうございます(>_<)更新をいつも楽しみにしてました…!終わってしまうのがとても寂しいですが、続編があるということなので今からとても楽しみにしています。これからも応援してます!(^○^) (2017年8月15日 13時) (レス) id: d866031783 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - いちご一会。さん» 勿体無いお言葉…!ありがとうございます!今後ともどうぞよろしくお願い致します!m(__)m (2017年8月15日 13時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - るるるるるるさん» コメントありがとうございます!引き続きよろしくお願い致します!^^ (2017年8月15日 13時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!引き続きよろしくお願い致します!^^ (2017年8月15日 13時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はさみのり | 作成日時:2017年8月3日 18時

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