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ロボットと幼馴染 ページ9

「え、あの、おいかわさ」



当の本人も慌てたように目を白黒させる。



「突然来なくなったと思ったら引っ越ししてるとか寝耳に水すぎて焦ったよ!?

俺と一緒にバレーするって約束なに勝手に破ってんのさ!!」


「ご、ごめんなさい」



寝耳に水なのはこちらの方なのだけれど。なんだ一緒にバレーするって。



しらっとした顔をする私たちに気づいて鹿島くんがあたふたと慌てる。




「お、及川さん。いったん離れて」

「やなこった!!またどっかいったら俺泣くよ!?」



「なあ俺ら何見せられてんの」

「……茶番?」



目の前で鹿島くんに抱き着く及川さんと必死に逃げ出そうとする鹿島くんは、


角名くんの言うように何かしらの茶番のように見える。




まあ、でも。


鹿島くんがずっと気にしていた『俺のせいで負けた』なんて及川さんは微塵も思っていなさそうで、

もうそれだけで十分に見えた。




「及川さんっわかった、手は離さなくていいから、落ち着いてっ」




数秒後小柄な鹿島くんの後ろから抱き着く及川さんという謎の構図が完成した。




「えっと、その及川さんと鹿島くんはどういう」



後輩のうるうるした目で「助けて」と訴えられ私はド直球な助け舟を出す。




「あの、その…まあ、一応?幼馴染で」



そう鹿島くんが言うと及川さんが食って掛かった。




「一応って何さ!!生まれた時から一緒でしょ!」

「黙って」



そう及川さんの頭に手刀をくらわす鹿島くんは確かによくできた弟のように見えた。



「はあじゃあ及川さんは鹿島くんに会いに来たってことですか?」



生まれた時から一緒に過ごしてきた兄弟みたいな存在がいなくなったら、

それはまあ確かに会いたくもなるかもしれない。


かなり無茶したようにも思うが。




「うーんちょっと違うかな」




及川さんは爽やかに「藍を連れ戻しに来たって言うのが正解」と微笑んだ。



「え」
「へ」



意図せず私と鹿島くんの声がハモってしまった。

___________________________

【宣伝&ご報告】ロボットの息抜きに侑の短編を書きました〜

よければこちらも是非…!
一生そばにいるから一生そばにいて【宮侑】

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結心(プロフ) - りおん。さん» ええ一気読み!めっちゃ嬉しいです…。更新頑張らせていただきますね〜〜! (2021年2月28日 20時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - 一気読みしました!待ってます。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
結心 - ピさん» わわわ…素敵な感想ありがとうございます。銀島くんですかなるほど。もっとたくさんのキャラと絡ませられるよう頑張りますね〜〜! (2021年2月26日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっっっっちゃ好きです!銀島との絡みが欲しい (2020年12月26日 6時) (レス) id: 2fa8d35dd6 (このIDを非表示/違反報告)
結心 - レイカさん» わわわ…!優しい言葉をありがとうございます、!元気が出ました。更新、頑張らせてもらいますね (2020年10月10日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五百雀 x他1人 | 作成日時:2020年8月5日 17時

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