ねぇ、一緒に歩いてもいい？

… ページ8

エイジさんに送ってもらってから安心からなのか少し小腹が空いたので菓子パンとアップルジュースを食していた。


｢もう、2時か…。｣


だいぶいい時間だ。
でも、特に予定はないので早く寝る必要も無い。ただ今はのんびり過ごしていたい。


なんとなく付けっぱなしのテレビから大嫌いな種類の缶ビールのＣＭが流れた。


エイジさんも、私の両親みたいにあの缶ビールが好きなんだなぁ…。
私はさっき缶ビールの中身を捨てた衝撃的な行動を思い出す。

ほんと、申し訳ないことしたなぁ。


｢はぁ…。｣


大嫌いだ。あの缶ビールもあのタバコも

…両親も。


｢なに、考えてんだろ。｣


そうだ、もうそんなもの捨ててきたんじゃないか。

あ、LINE交換したんだから改めてお礼を言わないと…。
でも2時だから迷惑かな？


ー
ﾋﾟｺﾝｯ


携帯の画面にはエイジの文字。


エイジ夜分にごめんね。落ち着いて寝れそう?


…どこまで優しいんですか、あなたは。


A大丈夫だよ!今日は本当にありがとね!

Aちゃんとお礼がしたいな…


LINEでもこんなに会話するのはマネージャーさんと地元の少人数の友達くらいだからなんて送信したらいいかイマイチわからない。


エイジじゃあ、今週の土曜日空いてる?

エイジ俺の買い物に付き合って



え！？ちょっと待って、買い物に付き合う！？
私たちいつの間にかそんな仲になってたの！？


どうしよう…。今週の土曜日は特に予定は入っていない。
これは行くべきだろうか。
…行くべきだろう。助けてもらったし。
これくらいしないと。


Aうん、わかった!


そう返信するとエイジさんからわーい！という可愛らしいクマのスタンプが送られてきた。


それになんだか心が穏やかになって自然と笑みが零れた。

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