萩月《∞》2 (ページ9)

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私が居間に戻ると、侯隆さんが少し顔を赤くして、

『A、大丈夫やったらでええんやけど、もう1つお願いがあって。』

『何ですか?』

『お客さんから、車海老を貰って。俺、料理せんから。どうやって食べたらええか分からなくて。大丈夫やったら、俺の家に来て、料理作ってくれへん?』

車海老か‥。何作ったら美味しいんだろう?とレシピを考えていて黙ってたら。侯隆さんが慌てた口調で、

『いや、あの。俺の家、嫌やったら。今から取りに帰って、ここに持って来てもええし‥。』

私がすぐに返事しないから、困ってると思われたみたいなので、すぐに

『侯隆さんの家で良いですよ。わざわざ、帰って持って来てだと大変だし。あと、うちから野菜と調味料を持っていけば、すぐに料理出来ますから。』

『ほんまに!?ええの。ありがとう。』

くしゃっと笑って喜んでくれるから、私も嬉しくなる。

エプロン、野菜、調味料をバックに入れて。部屋着から服も着替えて。私のマンションを出た。

車に乗って、侯隆さんの家に向かっている、窓の外の風景を見ながら思い出した。私はてっきり、“萩月”の上のシェアハウスの方に行くんだと思って、みんなも居るし、2人きりじゃないと安心していた。
すっかり忘れていた。1人でゆっくりする為に、侯隆さんがマンションを借りてるのを‥。今更、家に行きたくないとも言えないまま、マンションに着いた。