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首筋に温かいものを感じて、目をゆっくり開けると、オレンジの光の中、寝室のドアが見えた。
居間じゃない事に驚いて、起き上がろうとすると、何かに固定されてて、体が動かない、
ゆっくり下を見ると、逞しい腕が見える。寝起きのボーッとした頭で、一生懸命考えて。やっと、丸山さんが一緒に居て、寝そうになっていた私を、寝室まで運んでくれたのを思い出した。
私を抱きしめたまま寝てるから、腕が痛いんじゃないかと思って、腕から抜け出そうとするけど、強く抱きしめられているから、抜け出す事が出来なくて困っていた。
あまりに私がモゾモゾしてたから、
『A、何してるん?』
丸山さんが起きてしまった。私はすぐ、
『丸山さんの腕が、シンドイかなと思って、起きようと思って‥‥』
言いかけた所で、ギュっと抱きしめられて、
『Aは、ほんまに可愛ええな。』
『そういう気を遣う優しい所に、キュンキュンする。大好きやで!!』
丸山さんにギュとされた。
『A、俺の方に向いて。』
恥ずかしいけど、丸山さんの方に向きを変えると、優しく微笑まれて、
『A、好きや‥。こんなに1人の人を一途に好きになった事が、ほんまに今までないんや。最初は、Aが笑顔で居てくれさえすれば、俺は幸せやと思ってた。でも、Aに近付く事が出来て、Aに何度も触れるようになったら、俺だけのAにしたくなった。』
微笑みから、キリッとした顔になると、
『A、愛してる。ずっと俺の側にいてほしい。』
『今すぐに返事がもらえないのは、昨日Aの気持ちを聞いてるから、分かってる。でも俺が、スペインから帰ってきたら、返事を聞きかせてほしい。』
丸山さんの真剣な言葉に私は、
『そういってもらえて嬉しいです。ありがとうございます。』
『私なりに一生懸命考えて、お返事させてもらいます。』
『A、ありがとう。』
おでこにキスされて、優しく抱きしめられた。
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作者名:ショコラ | 作成日時:2017年4月25日 2時