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朝食を食べ終わって、食器を片付けようとしたら、
『A、俺が洗い物するから。ゆっくり寛いでて、大丈夫やで。』
『えっ、やりますよ。丸山さんが、ゆっくりしてて下さい。』
『Aは病み上がりなのに、ご飯作ってくれたから、ええの。ほらほら、ソファーまで連れてったるから。』
ギュッと手首を持たれると、ソファーまで連れていかれて、私が座ると。頭を優しくポンポンとして、
『ゆっくり、好きなことして待っててな。』
ニコッと笑って、キッチンに行った。でも私は、特にする事が思いつかないから、丸山さんの様子を見ていた。
普段、ニコニコしていて、みんなを楽しませる為に、面白い事言って変顔するけど。黙って、真顔でいる時は、キリッと男前の表情だから、つい見惚れてしまう。
私の視線を感じたのか、丸山さんが
『Aなんかある?』
『やっぱり暇なんで、手伝います!!』
丸山さんの所に行くと、二人で並んで片付けをしていた。
片付けが終わって、時計を見ると、まだ7時過ぎだったから、
『丸山さん、仕事行くのに、お家に帰って着替えなくて、大丈夫ですか?』
『おん。大丈夫‥。』
そのあと、言いにくそうにしてるから、何だろうと思ったら、
『A、引かんでな。』
『何ですか?』
『Aを一晩中、看病するつもりやったから。着替えを持ってきてるんや。』
引くよりも、丸山さんが凄く心配してくれたんだと嬉しくて、泣きそうになって、すぐに返事が出来ないでいると、
『A、ちゃうから。ほんまにAの看病を考えてやな‥。』
私が引いたと思って、ブツブツ言ってるから、丸山さんの言葉を遮るように、
『看病の事を思ってもらってたなんて、凄く嬉しいです。ありがとうございます。』
丸山さんは一瞬、驚いた表情になって。でもすぐに、ニコニコ笑顔で
『あかん。Aが可愛すぎる。』
いきなりギュッと抱きしめられて、おでこにキスされた。
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作者名:ショコラ | 作成日時:2017年4月25日 2時