萩月《∞》2 (ページ19)

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『A、ごめんな。お酒沢山飲んだから‥。俺の弱い部分が出て‥。』

『そんな。丸山さんは弱くなんてないです。』

『ありがとう。やっぱりAは優しいな。』

私からゆっくり離れると、今度は丸山さんが私を抱きしめて、優しく私のオデコに唇が触れて、私をぎゅっと抱きしめると。

『A、初めて言うけど。Aが“萩月”に来た日。裏からお店に戻って、Aを見た時。一瞬で惚れてもうてた。』

『今までそんな経験がなかったから‥。自分でもビックリした。俺、あの日はAに少しでも印象付けようと、色々してた。』

そう言われて、私は“萩月”に初めて行った日のことを思い出していた。

『Aが帰ってから。大倉のお店で、めっちゃ信ちゃんに説教されて‥。』

丸山さんを見上げると、笑顔で話し始めたから、私はホッとした。

『その後、Aに近付く事がずっと出来なくて‥。でも暫くして、たまたま。友達に映画のチケットをもらって、定休日にAとデート出来て。あの日は、楽しかったし、嬉しかった。」

私も丸山さんの事を色々知ることが出来て、私も嬉しかった。

『それで、やっとAが俺の側に居てくれるようになって。Aの事が好きやなって。日々実感して過ごしてた。横山くんが戻って来るまでは‥。』

切ない表情になったから、大丈夫かなと思っていたら。丸山さんが急に私に近付いてきて、ビックリしてる間もなく、優しいキスされた。