萩月《∞》2 (ページ14)

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キッチンから移動して、DVDを見る事になって、ソファーで侯隆さんとくっ付いて座った。

そのDVDは前に、私が見たいと言っていた映画を、覚えていてくれて。侯隆さんがわざわざ、ネットで探して買っていてくれた物だった。

侯隆さんは、映画を見ている私の邪魔にならないようにと思ったのか、そっと私の手に自分の手を重ねてくるから、可愛らしいなと思った。

主人公がやっと、色々な困難の末。好きな人に、自分の思いを告げることが出来て。好きな人にも、主人公が気になる存在で、ずっと前から好きだったと告白されるシーンで、私が涙ぐんでいると。
何も言わずに侯隆さんは、私の肩を優しく抱いてくれた。

エンドロールが流れると、

『A。』

侯隆さんを見上げると、そっと指で涙を拭ってくれて、

『Aの側におったら。Aの色んな表情が見れて、すぐに触れる事が出来るから。ほんまに幸せや‥。』

優しい笑顔で言われて、侯隆さんが私を愛しく思ってくれている。強い気持ちがよく分かるから、私は嬉しさと戸惑いで、涙が溢れて流れてしまった。

侯隆さんはすぐに、私を優しく抱きしめると、背中を擦ってくれて、

『A、ごめんな。一緒に居てくれるのが嬉しくて。つい、思った事を口にしてまう。』

『Aを困らせたいわけやないから、それだけは信じて‥。』

涙声で上手く話せないから、何も言わずに私は小さく頷いた。

何とか涙が止まって、

『ごめんなさい。もう、大丈夫なんで…。』

申し訳なくて、侯隆さんから離れようとしたら、優しく私を引き寄せて、

『A。今日はこのまま、一緒に居ってくれん?Aから今日は一時も、離れたくないんや。』