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【NOside】
夏油「遅くなるかもって言ってたけど本当に帰って来ないな」もうすぐ19時
A「遠い場所なの?」
夏油「すごく遠くもなかった気がするんだけど…秩父の山奥とか何とか」
A「山奥だと道によっては徒歩だったり?」
夏油「あー有り得るね」
もう一本の映画も観終えてしまった二人は時計を眺めて首を傾げる。
五条と家入が任務に出掛けたのは昼過ぎ。
まだ13時にもなっていなかった。
あの二人ならそう時間はかからないはず。
A「渋滞にはまったとか」
夏油「そうかもしれないね。私はAと二人きりになれるから遅くても構わないけど」
A「えぇ…?」
夏油「冗談だよ。悟に殺される」
A「私は早く帰って来て欲しいな。傑くんお腹空いてるでしょ?」
夏油「おや、私の心配かい?優しいね。平気だよ」
A「何か作ろうか?後から温められるようなの」
夏油「え?料理してくれるのかい?」
A「前よりは人の姿でいられるし、恩返しじゃないけどたまには」
夏油の膝から降り、伸びをしてから人の姿になるA。
しかし服装は着物のまま。
A「あーそうだった。これは高そうだから汚したらマズい気がする」
夏油「硝子はまだ帰ってないし、悟の部屋から服を拝借しようか。Aが着るなら勝手にクローゼット漁っても怒らないだろうし」
夏油も立ち上がり、二人で隣の五条の部屋へ入る。
クローゼットにあるキャスター付きのタンスからトレーナーとスウェットを出した。
夏油「だいぶ大きそうだけど大丈夫?」
A「うん、平気。この方が動きやすいし」
Aが着替えるため隣の部屋に戻った夏油は彼女のラフな姿を楽しみに本を開いた。
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2023年12月18日 21時