堪忍袋の緒が切れた。

いい加減にしろ9 ページ10

「うわぁあん！！」


体育館に入った瞬間に聞こえる真凛ちゃんの子どもみたいな泣き声。高校生になってその泣き方はないんじゃないかな？ってくらい子どもみたいに泣いてる。


「ねえ、Aちゃん。これどういうこと？」

『はい？』


「如月から色々聞いた。…お前からいじめられてるって…。本当か？」


はい？？？


完全にキレている及川さんと気まずそうに聞いてくる岩泉さんに私は少し戸惑う。

なんだこの状況。


『どういうことですか？』


「今日、お前が部活遅れてくるって矢巾から聞いて、如月に仕事頼んだんだけどよ。」


「全然できないから、理由聞いたらやることだけ教えてもらって、やり方は教えてくれてないんだって？自分の方が仕事してるってアピールしたいわけ？」


『いや、あの…』

「なのに、仕事押し付けて、できてなかったら怒鳴り散らかして、死ねまで言われたって！」

『いや、えっと？』


身に覚えがなさすぎて、混乱する。


「そんだけ戸惑うってことは本当なんだね？なんで仕事押し付けんの？」

「協力してやれよ」

「Aはそんなことする奴じゃないって思ってたんだけど…」

「自分より可愛いから妬んでんの？」



なんだ、この言われよう。


「私…頑張ってます…！なのに…。いじわる…しないで…下さ…い！！」


と泣きながら訴えてくる真凛ちゃん。


全員が私を見ている。国見と花巻さんは微妙な顔をしているけど、私が何も言わないから何も言えないんだろう



『すみません…』


「っ！本当…なのか？」

「A先輩…」



「ちゃんと謝りなよ！！」



『お前らいい加減にしろよ？』



堪忍袋の緒は完全に切れたぞ。

いい加減にしろ10→←いい加減にしろ8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す