堪忍袋の緒が切れた。

いい加減にしろ4 ページ5

『今すぐこっち戻ってこい！！！』


そう怒鳴ると、一気に体育館が静かになる。


「なになに？！！何で怒ってるの？！」

『かつ…及川さんは黙っててください。』



「ふぇーん、怖いです…徹先輩…」



ぎゅーっと及川さんに抱きつく真凛ちゃんに他の部員も監督やコーチも呆れている。

しかし可愛いから怒らない。それが男のサガなのか！！


『今すぐ戻りなさい！！』

「……やだ。」

「Aちゃん！落ち着こう？！」


『マネージャーが選手の練習の邪魔すんな！！』


そう叫ぶと、皆んなが驚いたような顔で私を見る。


『あんた仮にもマネージャーでしょ？！何、練習の邪魔してんの？馬鹿なの？選手達にとって大事じゃない時間なんてないの！今あんたが泣きながら及川さんに抱きついてることで、練習止めてんの！私が気に入らないとか、仕事したくないとか、そんなんどーでもいいけど、さっさと離れてこっちこい！』


「……徹先輩…」


「う、うん。ごめんね真凛ちゃん。今回はAちゃんが正しいと思うんだよねぇ…」


おい鰹節。今回は！じゃない。今回も！！だ！


わかりました…と言ってこっちに戻ってきた真凛ちゃん。そしてそのまま出て行こうとする。


『は？どこいくの？』


「…メイク崩れたので部室です」


『先に謝れば？練習止めたんだから』


そういうと、小さな声でごめんなさい…と言って出て行く真凛ちゃんにイライラが止まらない。



『〜〜っ！！ すみませんでした！！！』


と思いっきり頭を下げると、隣に来てたコーチがさっさと練習しろ！！と怒鳴る。


「お前大丈夫か？」


『大丈夫に見えますか？』


「…いや見えん。」


『でしょうね。』

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