君との距離は数センチ (ページ8)

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your side

あ「こうせ…？」

一向に離してくれない光成に

彼の胸に埋もれながらも声をかける

彼の匂いは安心するし

こうやって抱きしめられる居心地もいいのだけれど

万が一他の生徒が来てしまったら大変だ

いや、大変どころじゃない

あ「誰が来たら…」

檜「やだ」

私の言葉を遮るように言いながら

更にギュッと抱きしめている腕を強める

檜「俺、せっかくAと同じ空間にいるのにみんなAにちょっかいだしすぎだし」

特に光輝とか光輝とか光輝とか！！！

なんて

少し頬を膨らませながら言う彼

あぁ嫉妬してるんだ

彼の胸のなかでほっこり気持ちが暖かくなる

あ「ごめんね。でも私はあの頃から光成だけだよ」

檜「当たり前。俺がどれだけAの事ずっと惚れてたかわかる？」

あ「ふふっわかんない笑」

檜「俺が小学校2年の時から」

あ「そんな昔？」

檜「そう！俺、その時からAの事が好きだった」

懐かしい

もう15年前

私と光成はマンションの部屋が隣で幼馴染みみたいなもんだった

檜「Aが近くにいるのは嬉しいのに、でもあいつらにちょっかい出されるのは嫌だ。俺の彼女なのに」

あ「まあ私の生徒だからね」

檜「それもやだ。あー早くみんなに言いたい」

あ「光成、卒業するまでは…」

檜「わかってる。言わない」

そう

私たちは

付き合っている

つい1年前は

生徒と先生の関係ではなくて

彼氏と彼女ただそれだけだった

私が異動で彼の高校に先生として決まるまでは