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次第に、伊野尾君の身体に墜ちていく薮君。
彼の声は、指先は、熱くうねる内側は、
全ての男を狂わせる甘い魔力を持っている。
“やぶぅ、俺のこと好きに抱いて良いよ?”
“何だってしてあげる、光にしたいこと
光が出来ないこと俺なら何でもしてあげ
られるよ……”
伊野尾君は、そうやって薮君を自分のもの
に出来ると信じていたみたいだけど、
薮君は底の無い快楽に引きずり込まれる事
を恐れ嫌悪し、結局伊野尾君を拒絶した。
愛する事と求め合う事は同じじゃない。
「身体だけの関係なんだから、振るも振ら
れるもそもそも初めから何も存在してなか
ったんだよ。
誰も彼も自分を愛してるくれるだなんて
愛してくれないと嫌だなんて
伊野尾君は、どこまでも自分勝手だ。 」
手には入らないものだって存在する。
何もかも自分の思い通りになんてならない。
幾ら語気を強めてみても伊野尾君に俺の言
葉なんて聞こえていないみたいだった。
ぐすんっ、ひっく、ぐすんっ、
「…………高木は、俺が嫌い?」
ひっ、くすん、ぐすんっ、
ほら、もう泣くの止めなよ。
悲劇のヒロイン気取りも止めてくれ。
思い通りにならない苦しみを黙って受け入れ
る虚しさを伊野尾君も少しは味わえば良い。
「……ねぇ、俺が嫌いな、の………?」
………………嫌いならこんな所に来るもんか。
いつの間にか伊野尾君は、俺の傍ら少し下か
ら上目遣いでこちらを見ている。
涙に濡れた真っ赤な瞳は痛々しくも憐れな
のに、その奥に潜む淫靡な炎はもうすっかり
俺を捉えて離そうとしない。
既にボタンの外された白いシャツの胸元に俺
の右手を招き入れ、ふるりと一度身震いして
みせた。
「……高木、早く慰めて、
やぶぅみたいに俺を抱いてよ……」
胸焼けしそうな甘ったるい声。
今夜もまた、
耳許で自分勝手に囁く君。
君を慰められるのは俺だけだと
柔らかな唇に優しく舌を絡める俺は、
この世界で一番の大馬鹿者。
end
*フラレる?いのちゃん。
ちょっと違う気もしますが私が書くと
こんな感じになりました 笑
高木君は伊野尾君に踊らされる運命*
5.ただ優しい彼(tkcn)→←4.じぶん勝手 (tkin)
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ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)少しずつ書いたお話たちが一杯になりました!短いので設定もある程度自由に楽しく書いています。気になるお話があれば嬉しいなぁ思います♪私も読んで頂けて幸せです* (2017年10月15日 18時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - こんにちは、ぴよさん。今まで読みたい〜って思っていた場所のお話が読めて幸せです。公開ありがとうございます。 (2017年10月15日 16時) (レス) id: 291fc33caa (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - みるみるみるきーさん» グランマニエとか 笑 私たちにはやっぱり有閑倶楽部なのでしょうかね。学園ものは王道ですが間違いないわくわく感が味わえますね( ´∀`)楽しい♪ (2017年9月22日 13時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ナイスですな、有閑倶楽部風味♪私もわかりましてよ。まあ、今の子なら桜蘭高校ホスト部のが浮かぶのかしら…でも、やっぱ有閑倶楽部かぁーー!みろくとせいしろうとかとか。 (2017年9月22日 13時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)まさにリクエストは有閑倶楽部風でした 笑 さすがヨウコさん!私そんなに詳しくはなくてちょっと不安だったんですがオッケ貰えて良かったです☆生徒会はやはり鉄板ですね。 (2017年9月15日 17時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ | 作成日時:2016年11月30日 0時