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“ ほら、取って ”と薮に向かって顔を
突き出しす。
薮の指先が真っ直ぐ結び目に触れるのだ
と疑いもしなかった俺は、予期せず首筋を撫
で上げられる感覚に身をくねらせた。


「……んんっ、ひやぁ、ん」


おかしな声まで漏らしてしまう。



「ふふっ…まぁ、いっか。

驚く驚かないと感じる感じないは、
また別だもんな、光…… 」


ふうっと息を吹き掛けなから、薮が耳許で
甘く囁く。


「……ひぃ、ん…ちょっ、あぁん」


顔が見えないから、薮の動きが予測不能。
どこに触れてくるのか、どんな顔で俺を
見ているのか…何にも分からない。


「見えないとより感じるんだって。

光はどうかな?
いつも以上に感じたらどうなっちゃう
んだろうね?」



「……んぁああ、ふぅ、んんっ、っ」


セーターを捲り上げられおへそ辺りに顔を埋
めた薮が吸い付くようなキスを落としていく。
突然の快感にまただらしない声が漏れ、とっ
くに薮色に染め上げられている俺の身体は、
次を期待してブルブル震え出した。



「立ってられなくなっちゃった?」



そんな声と同時に身体が宙に浮いて、薮の
温もりにふわっと包まれる。
抱き上げられたまままたキスされて、
俺、お姫様にでもなったみたいだ。



「……や、ぶぅ…っ、やぶぅ……、」




「……なぁに、“ ひかる ”?」



見えないから、見えないのに、
薮の声だけで昂まっていく俺の身体。
どうしよう、薮に名前を呼ばれるだけで
蕩けてしまいそうになる。

どこにいたって耳に入ってくる薮の声。
よく響く大好きな声。



「もっと…もっと、“ひかる”って呼んでぇ、」



「 ひかるが可愛く鳴いてくれたらね? 」







結果、雪崩れ込んだベッドで俺は可愛く鳴い
て鳴いて、満足した薮は何度も何度も“ひかる”
と囁いてくれた。
最後まで目隠しはしたままで、与えられる熱
と肌のぶつかり合う音、そして薮の声が暗闇
で俺を犯し続けた。


いのちゃんの言った通りだ。
間違いなく、いつもより感じてしまっている。
もちろん薮は、最後まで上機嫌だった。



もう出ない…やっと解放されて涙でグチャグ
チャになった目隠しがずり落ちる。



「……や、ぶ……見っけ……」


霞んだ世界がはっきりしてきて、目の前に薮の
顔が浮かんでくる。
目を細め、愛しげ気に俺を見つめるその姿に
やっぱり俺は幸せ者だと、何でも許せてしま
うのだった。


「光、愛してるよ……」



きみの声が俺を焦がすから。

end

3. 手袋を買いに(ytin)→←2. きみの声(ybhk)



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ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)少しずつ書いたお話たちが一杯になりました!短いので設定もある程度自由に楽しく書いています。気になるお話があれば嬉しいなぁ思います♪私も読んで頂けて幸せです* (2017年10月15日 18時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - こんにちは、ぴよさん。今まで読みたい〜って思っていた場所のお話が読めて幸せです。公開ありがとうございます。 (2017年10月15日 16時) (レス) id: 291fc33caa (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - みるみるみるきーさん» グランマニエとか 笑 私たちにはやっぱり有閑倶楽部なのでしょうかね。学園ものは王道ですが間違いないわくわく感が味わえますね( ´∀`)楽しい♪ (2017年9月22日 13時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ナイスですな、有閑倶楽部風味♪私もわかりましてよ。まあ、今の子なら桜蘭高校ホスト部のが浮かぶのかしら…でも、やっぱ有閑倶楽部かぁーー!みろくとせいしろうとかとか。 (2017年9月22日 13時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)まさにリクエストは有閑倶楽部風でした 笑 さすがヨウコさん!私そんなに詳しくはなくてちょっと不安だったんですがオッケ貰えて良かったです☆生徒会はやはり鉄板ですね。 (2017年9月15日 17時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよ | 作成日時:2016年11月30日 0時

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