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………何でこんな事になったんだろう。


重ねられた唇の感触に震えながら、
身体の奥が熱くなるのが分かった。


ただの後輩だった筈だ。
あれだけの男前が女に困る訳が無い。
戯れにしては質が悪過ぎる。


「………っ、ぁあっ」


角度を変えて深さを増すキスに自然と漏れ出
す声。
耳を塞ぎたい程に甘ったるい。


「先輩の声って色っぽいですよね。

もっともっと聞かせて下さい。」


「………っ、やめ、ろって………っぁ」


舌先が更に激しく口内を掻き回し、
とろとろと二人分の唾液が流れ落ちた。


払い除ければ良いだけなのに、
力を失った身体は逆に○○にすがり付く様な
格好になってしまう。


「髪の毛サラサラ、それにすごく良い
匂いがする。」


うっとりした声で髪の毛を撫でながら、
首筋に顔を埋めたゆうとが深く息を吸った。
息遣いがダイレクトに伝わってきて、背がビ
クッビクッと跳ね上がる。

思わず腰が引けた俺の身体は支えを失い、
背に触れたデスクの上に二人共に倒れ込んだ。



ガタンッ


静まり返ったオフィスに響く音。


「……っ、いた、」


痛みに顔をしかめた後、ゆっくりと瞼を
開ければ真上から俺を見下ろすゆうとの顔。



「………先輩、
俺本気で高木先輩が好きなんです。

誰にでもこんな事する訳じゃない。」





あの日も仕事が終わらずに、
ゆうとと一緒に遅くまで残業していた。
お礼も兼ねて飲みに誘い、金曜日だった事も
あり二人共に酒が進んだ。

お酒に弱い方では無いし、節操を無くすタイ
プでも無い。

無い、筈だったのに。


“ ………高木先輩、俺と気持ち良い事して
みませんか? ”

酒に酔っていたのは間違いない。
でなきゃ男に手を引かれホテルになんて
行く訳が無い。


ましてや、
一線を越えてしまうだなんて。


あんな風に感じてしまうだなんて。



「…順番がグチャグチャになっちゃって
すみません。


でも、
俺どうしても先輩を落としたかった。」


切なげに眉を潜めたゆうとが、
すがる様な眼差しで見つめている。


「………高木先輩が好きです。

お願い、俺に“落ちて“みませんか?」


女が“落ちる“時ってきっとこんな気持ち
なのかもしれない。
頭の中がふわふわして、胸が熱くて
身体がどうしようも無く疼くから。



「………ゆうと、ホテル行こ?

俺もう少しで落とされそう、」



もう落ちてるけど、
もっともっと落としてみせてよ。

end

8.君と揺れていたい(ytym)→←7.落とし落とされ(yttk)



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ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)少しずつ書いたお話たちが一杯になりました!短いので設定もある程度自由に楽しく書いています。気になるお話があれば嬉しいなぁ思います♪私も読んで頂けて幸せです* (2017年10月15日 18時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - こんにちは、ぴよさん。今まで読みたい〜って思っていた場所のお話が読めて幸せです。公開ありがとうございます。 (2017年10月15日 16時) (レス) id: 291fc33caa (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - みるみるみるきーさん» グランマニエとか 笑 私たちにはやっぱり有閑倶楽部なのでしょうかね。学園ものは王道ですが間違いないわくわく感が味わえますね( ´∀`)楽しい♪ (2017年9月22日 13時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ナイスですな、有閑倶楽部風味♪私もわかりましてよ。まあ、今の子なら桜蘭高校ホスト部のが浮かぶのかしら…でも、やっぱ有閑倶楽部かぁーー!みろくとせいしろうとかとか。 (2017年9月22日 13時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - ありがとうございます( ´∀`)まさにリクエストは有閑倶楽部風でした 笑 さすがヨウコさん!私そんなに詳しくはなくてちょっと不安だったんですがオッケ貰えて良かったです☆生徒会はやはり鉄板ですね。 (2017年9月15日 17時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよ | 作成日時:2016年11月30日 0時

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