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「……いや、だって似てるって…」
“あの人に似てきたね” って何度も聞いた。
俺のこと受け入れてくれたのも、
“あの人”の頼みだからなんだろうって。
いのちゃんは、“あの人”が戻ってくるのを
ここで待っているんだって。
本来、許容範囲が極端に狭い俺が必死に受け
入れたやるせない想い。
それでも側に置いてくれるならとこの顔を
恨みつつ感謝の念さえ抱いた。
「…似てるのは、顔だけだもの。
あとは何にも似てないし、代わりだな
んて思ったこと唯の一度も無かったよ。」
そうきっぱり宣言されてしまっては、何と返
して良いのか分からない。
“ 似てる ”けど“ 似てない ”といのちゃんは
薄っぺらい胸を張る。
「こんな話涼介にするの流石に俺でも気が
引けるけどさ、、 」
珍しくいのちゃんは、若干躊躇して語尾をも
ぞもぞと濁らせた。
それからまだ涙が止まらない俺の目尻をそっ
と拭い、“まぁいっか”と綺麗に笑った。
「俺の初めての“お客さま”は、まず
こう言ったの。
“ お前は俺を忘れられない、
最初に抱かれた相手はずっと身体が
覚えてるんだから ”
もちろん仕事としての初めてのだよ。
それまでも経験はあった訳だから、
半分何言ってんだろって馬鹿にしてたん
だけど、これは本当だった。
買われた俺に拒否権は無くて、抱かれな
がら何度も意識が飛んだけど朝方まで一
度も解放させて貰えなかった。
金持ちで征服欲が強くて、意地悪で乱暴
で……、とびっきりの男前。
俺に色んな初めてを刷り込んで、ぶつけ
て満足してるろくでもない奴。
それが、“あの人” だった。 」
淀みなくすらすら語ってくれたのは、いのち
ゃんなりの優しさなのだろう。
お陰で俺は、実の父親の浅ましさを心底バカ
だなといとも容易く受け入れてしまった。
「 忘れられないのは
身体が覚えてるから、それだけ。
他には何にもないよ。
俺は、いつだって涼介を見てたつもり
だったけど、
不安にさせてごめんね。 」
…
…
俺の背中に貼り付いたあいつの影が
ゆらゆら揺れて、
頭を下げる筈もなく、
悔しそうに、名残惜しそうに
もたもたしながら消えてった。
壁に映る長い影は、確かに俺のもの。
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ぴよ(プロフ) - あいとさん» あいとさん、ありがとうございます( ´∀`)凄く久しぶりに二人に想いを馳せてみました。私もここ迄辿り着く過程を思うと万感の思いです。幸せに過ごしてほしいなぁ♪ (2018年6月25日 12時) (レス) id: 20d979f9fd (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - ぴよさん!ろくでもない夜にファンの私にはとても嬉しいお話でした!この日までよく頑張ったね二人…、いのちゃんこれからは大好きな人にだけ甘やかしてもらうんだよ…となぜか親心…(笑)素敵なお話ありがとうございました! (2018年6月24日 7時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - にゃーごさん» にゃーごさんこちらにもありがとうごさいます。このお話は当然完璧なフィクションなのですが、その中でも心の動きがなるべく自然に繋がる様にそれぞれの気持ちを想像して書きました。同じ様に感じて貰えて嬉しいです( ´∀`)妄想は最高ですね 笑 (2017年4月28日 22時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - ぴよさん こんにちは。私がぴよさんに夢中になった作品は実はこの作品でした。あの子は実はこんな気持ちじゃないかな?なんて妄想が広がった時に胸にトンと降りてきてもう、ぴよさんワースドから抜け出せません。 (2017年4月28日 9時) (レス) id: a963f855a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 綺更さん» コメありがとうごさいます。最後まで読んで下さってとても嬉しいです。私も書きながらもどかしく、皆を幸せにしてあげれるのか不安になったりもしたのですが、無事完結出来てホッとしています。涙ぐんで頂けたの事で感激です!また面白いお話をお届け出来る様頑張ります (2017年1月14日 3時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
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