リア恋、始めました【Yuto.t】

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注文を取りに行ったり、お料理を運びに行ったりする度に、


優斗の！優斗の！とお友達にからかわれるから、ちょっと入りづらい。


何より優斗くんも嫌だろうし。




「オマエら止めろよ、Aちゃんめちゃくちゃ困った顔してる」


「Aちゃん、ねえ？」




優斗くんと私の顔を交互に見てニヤニヤして、連絡先交換しちゃえば？なんてとんでもないことを言う。


ダメダメ、それはさすがに！




『じゃ、失礼します……！』


「あ、ちょ、っと、！」


「優斗振られたね？」




優斗くんの制止する声を無視して出てしまった。


あんなことばっかり言われて、もう来てくれなくなったらどうするつもりなの！


……ただ、見るだけで充分なんだから。


優斗くんと私は、キラキラアイドルと、ただのファン、それだけでいいの。


それ以上は望まないから。


じわりと滲みそうになる涙を唇を噛んで、必死に堪えた。


……好きだよ、優斗くん。


鏡の前で接客用の笑顔を作り上げる。




「……Aちゃん、」


『優斗くん？』




振り向くと、バツの悪そうな顔で後頭部に手をやっている優斗くん。




「俺がプライベートでファンの子と関わることないから、面白がってるんだと思う」




大学でも結構いるんだよね、応援してくれるのはありがたいけど、ちょっとプライベートはごめんなさいって感じだから、と困ったように笑う。


だよね、やっぱりプライベートはお断りだよね？


ちょっと安心したけれど、遠回しに拒否されているようで、ちょっと悲しい。




「……Aちゃんは、別って言ったら困る？」




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