同居人のリュウセイ3 (ページ12)

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為せば成るページ12

…

『ねぇ、そういえばさ、藤井くんはなんでホテルマンに憧れたの？』

藤井『…えー。俺、昔家族で軽井沢のホテル行った時に蜂に刺されたねん。』

『えっ、嘘。大丈夫？』

藤井『おん。なんとか、』

『……それで、手当してくれたと？』

藤井『おん。』

『へぇ、まぁ、なんかありがちだけど藤井君にそんな思いがあるなんて知らなかったわ』

藤井『やろ？まぁ、絶対無理やけど』

『そんなことないよ。為せば成るだよ。為せば成る。』

藤井『為せば成るって……あぁ、』

さすがに藤井君も知ってるか。

『藤井君、藤井君。ちなみにこれ誰が言ったか知ってる？』

藤井『……織田信長？』

きた、アホの悪い癖。
偉人は全部織田信長

『違うよ。上杉鷹山って知ってる？』

藤井『……えっと、山の名前？』

『はぁ？』

…

だめだ。

英語ができるだけじゃダメだ。
一般常識そのものが怪しいぞ！

『上杉鷹山っていうのは江戸時代の政治家で米沢藩の藩主よ』

藤井『は？米沢？』

『だめだ。アホはなにしてもアホなのか……』

藤井『は？』

『……藤井君。もう、英語はいいよ。スペイン語も必要ないと思う。
一般常識を付けよう』