【H×H】面白そうだから 2

20・キルアとギタラクル ページ27

「……って訳だよ。
まぁ気にしてないし、気にしないでもらえると嬉しいな。」

「ああ……分かった。
何か困った事があったら頼ってくれていいからな！」

優しく言われながら、頭を撫でられた。
……嬉しくて、頬が緩む。
なんかお兄ちゃんみたいだ、なんてね……？

その次、第5試合。
キルアは始まると同時に戦線離脱、あっさり終了。
……あー、もう。

「ここで勝っておけばよかったのに。」

ポックル君は近距離戦は不得手っぽいし、そもそもキルアなら簡単に勝てる。
不満を顔いっぱいに出してキルアにそう言えば、

「だから、あいつとは戦う気がしなかったんだって。
心配しなくても次で勝てばいいだろ？」

なんて返ってきた。
それが出来るならいいんだけどね。

第6試合はヒソカVSボドロさん。
あの体格いいおじさんか……うーん、なるほど。
結果はヒソカの圧勝だった。
でもボドロさんも結構粘ってたよ。

…………さて。
いよいよ、第7試合。
キルアVS……ギタラクル。

いやだー、めっちゃいやだ！
けど、時間は止まってくれる訳がない。

「始め！」

立会人の声が響く。
キルアは緩く構えた。

「久しぶりだね、キル。」

針を顔中に刺しているギタラクル。
表情を全く変える事なく、そう言った。
キルアはちょっと動揺しているみたいだ。

そして……ギタラクルが、顔に刺さった針を抜いていく。
全て抜かれると、顔が歪な音を立てて変形した。
うわ……見てるだけで痛いし怖いし！

変形が終わると、そこには黒い長髪に大きな黒い瞳の男性が立っていた。
無表情で底が知れない、人形の様な、不気味な男性(ヒト)。
それが、実際に彼に会った第一印象だった。

キルアの切羽詰まった様な声が聞こえる。

「兄…貴！」

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