18・ゴンの合格 ページ21
「ゴン……っ！」
ボクは縋る様な気持ちでゴンの名前を口にした。
もういやだ。もうやだ。やだよ。
ダメだ、落ち着け、大丈夫、手をだしちゃいけない。
裏社会で冷静さを鍛えられてなかったら、もうとっくに我を忘れていると思う。
ちらりと横を見ると、ボク以上に怒りを滾らせたレオリオが目に飛び込んで来た。
ボクはその姿に1周回って冷静になった。
あの音や折れ方からして粉砕骨折はしてない、はず。
やっぱり不安……だけど。
「レオリオ。」
思ったよりも低い声が出た。
ダメだよ、手を出すのは。
「ルイナ、クラピカも止めるなよ。
あの野郎がこれ以上何かしやがったら、ゴンにゃ悪いが抑え切れねぇ。」
………そんなの。
ボクが口を開くより前に、クラピカの声が聞こえる。
抑えきれない怒りの滲む声。
「止める？私がか？
大丈夫だ。おそらくそれはない。」
「……ボクも。
多分、ない。」
だから、手を出さないでよ。
ボクには止められないんだから。
「痛みでそれどころじゃないだろうが聞きな。」
ハンゾーが、片手で逆立ちしつつ話し始めた。
忍という隠密集団の末裔で、生まれた時から厳しい訓練をしていた事。
以来18年ずっと鍛えてきた事。
ゴン位の時には人を殺している事。
……18なんだ。
いや、どうでもいいけど。
「こと格闘に関して、今のお前がオレに勝つすべはねぇ。
悪い事は言わねぇ。
素直に負けを認めな。」
右手の人さし指だけで逆立ちをしてみせて、キッとゴンを見るハンゾー。
すっごいイラつく。そう思った時。
ﾄﾞｺﾞﾝ
いい音を立てて、ゴンがハンゾーを蹴り飛ばした。
反動で倒れたゴンは、すぐに体を起こしてハンゾーを見る。
「って〜、くそ！
痛みと長いおしゃべりで、頭は少し回復してきたぞ。」
ゆっくりと立ち上がるゴン。
「よっしゃー！ゴン！
行け！蹴りまくれ！殺せ！殺すのだ！」
「それじゃ負けだよレオリオ……」
「はぁー……」
ゴンが反撃したという事にハイテンションのレオリオ。
クラピカがそれを宥めて、ボクは安堵のため息を吐いた。
よかった、本当に。
「18っていったら、オレと6つ位しか違わないじゃん。
それにこの対決はどっちが強いかじゃない、最後に｢まいった｣って言うか言わないかだもんね。」
6つは結構違うと思う。それ以外はゴンの言う通り。
ハンゾーは軽い動作で体勢を立て直す。
その顔は勢いよく床に叩きつけられたせいで鼻血がでていた。
「わざと蹴られてやった訳だが…」
「ウソつけー！」
「レオリオ、ちょっと落ち着いてよ……」
無理だと思うけど。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星咲夜空@スマホ(プロフ) - 白瀬さん» 別アカから失礼します。返信遅くなって申し訳ありません！文字数制限やモチベーションと戦いつつ頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年11月7日 21時) (
レス) id: 2efeb2cec1 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬 - とっても読みやすいです。更新頑張ってください！応援してます。 (2019年8月22日 1時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - 気まぐれ猫さん» あー､それはちょっと難しいですね｡そうなると台本書きになってしまうし､意外と文字数を使うので…｡でも､誰が喋っているのか分かりにくい個所は何個かありますね｡後々直していこうと思います｡感想とアドバイスコメントをありがとうございました！頑張ります！ (2019年1月12日 12時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
気まぐれ猫(プロフ) - 面白いです！出来れ場ですけど「」の前に誰が喋ってるか書いてくれると嬉しいです！更新頑張って下さい！！ (2019年1月11日 21時) (レス) id: 5edabe2416 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
