■□モノクロ□■ (ページ7)

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和「で、翔さんいつ行くの？ロンドン」

いつもの喫煙室で、ニノが聞いてきた。

翔「夏の終わりには行くよ」

和「そうなんだ」

短くなったタバコを消すと、改めてニノが顔をのぞきこんできた。

和「翔さんさぁ、Aがひとりで電車乗れないって知ってた？」

翔「は？まさか！子どもじゃねーんだから(笑)」

和「......」

だってそんなことある？

電車乗れないって、ありえないでしょ？

いつものニノのいたずらだよ。

でも、ニノは何も言わなかった。

ふふんと笑うだけだった。

そこにどんな意味があったのか、俺は知る由もなかった。

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喫煙室から出て、デスクで帰り支度をしていたら、恩田さんが顔をのぞかせた。

「櫻井さん、まだいたんですね」

翔「うん、もう帰るとこだけどね」

「あの...もし良かったら、ご飯つき合ってもらえませんか？私、親が旅行に行って、帰ってもひとりなんです」

今日は金曜日。

もしかしたらAが夕飯を作って待っているかもしれない。

でも、気持ちの整理がつかない今は、合わせる顔がない。

翔「俺でよければ」

OKの返事をしたら、恩田さんの顔がパァっと笑顔になり

かわいいなぁ...と、

心の中でつぶやいていた。

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