■□モノクロ□■ (ページ17)

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和「お前、明日休んでいいぞ」

家まで送ってくれた二宮さんが言った。

『私、大丈夫ですよ？』

私が休んでしまうと、二宮さんの雑務が溜まってしまう

二宮さんは、何か考えがあるのか、車の天井を上目使いに見ながら言った。

和「いや、休もう。休め」

休んだら、、、何か変わるのかな...

『わかりました、、、休みます』

和「よし、いい子」

所属部所の先輩だし、今日はお世話になったし、逆らえるはずもなく。

翌日は素直に仕事を休んだ。

体調が悪いわけでもないのに休むのは、なんとなく落ち着かない。

歯をみがいて、顔を洗って、映画を観るのもいい。

見たかった映画、彼を誘うような内容じゃなかったし、そんな時間もなかった。

洗面所に入ったところで、視界に入ってしまった...

彼の歯ブラシ、、、歯みがき粉、、、

ちょっとお値段する歯みがき粉を、たっぷり出して歯をみがくのが彼の習慣だった。

見回してみると、彼の私物がそこかしこにあって

『やるか』

かたづけてしまおうと思った。

彼の愛用品に囲まれて過ごせるほど図々しくないみたい。

下着や部屋着、マグカップに茶碗...

けっこうあるんだなぁ...

お気に入りのDVDやCDも。

ひとつひとつ、ビニール袋やプチプチで包んで

ダンボールに詰めていく。

あ、そうだ。

まとめた荷物を彼の家に運んで、向こうにある私の物を持ち帰ってこよう。

このまま、彼に会わないで終わらせてもいいと思った。

彼は、自分から別れ話を言い出したりしない。

でもきっと...

切り出せなくて困っている。

こんなときでも彼に甘い私は、

恋愛のセンスがないような気がする......

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