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三話 蝶屋敷 ページ5

自己紹介屋らなんやらをしているうちにカナエさんとしのぶさんの屋敷についた。

正直…デカイ。この屋敷。デカイ。
この人たち…何者?

まぁ、あとで聞けばいいか。

「さあ、さあ、まぁ入って!」

とカナエさんに背中を押された。

『お邪魔します…』

恐る恐る入ると、
思った以上に広かった。


『(広ッッ…落ち着かない……)』

そうして連れて行かれた座敷に座っていると、カナエさんが質問をしてきた。

「ねぇ、もしかしたらつかぬ事を聞くかもしれないのだけれど。」





「どうしてあなた。あそこにいたの?」



そう聞かれた。

私は本当のことを言っても信じてもらえないと思った。

だから……







『親が亡くなり、叔母に引き取られました。でもそこで暴力を受け仕方ないので出てきました。』

ちょうど今の姿もそんな感じの格好だったからそう言うことにした。

ボロボロの着物、地味に痛む足。


思いついた言葉。思い出した記憶。


そこからただ引用して使っただけ……


でも………



ギュッ



「そうだったのね。ごめんなさいね。」

少し涙声で抱きついてきたのはカナエさんだ。

『……?』

私はただ呆然と聞いていた。

なんでモヤモヤするんだろう。

「辛いこと聞いてごめんなさいね。
本当に、本当に、ごめんなさい。」

「姉さん…」

泣きながら言ってくれるカナエさん。

どうしてこんなに胸が痛いんだろう。

あぁ。そっか。
私の話をちゃんと聞いてくれたからだね。

私は殺し屋。

本当の自分を隠して

偽りの自分を相手に見せ

殺す。

それが殺し屋の基本みたいなもの。

だから、

仲間になった殺し屋に、

何かを話すときは

真剣な話としては聞いてはくれない

だから、隠してきた。

そういう事(. . . . .)

絶対に言わなかった。

それに個人情報はあまり殺し屋に関わらず
言って来なかった。


【あんたなんか雑用で充分よ。】

【笑わせないで、殺す?殺せるもんなら殺して見なさいよ…?】

【辞めて……!!!!ゆ…許してぇ〜!】

「Aちゃん…?」

ぼーっとしていたらしく声をかけられる。

『すみません。大丈夫ですよ。もう過ぎたことなので。心配しないでください』

また嘘をついた。

自分を偽った。

まだ引きずってるくせに。

なんなんだよ。

私…今更あんなの…

思い出したって意味ないじゃん。

あんなの…

そんなモヤモヤを抱えながら

蝶屋敷で過ごした。

四話 鬼殺隊→←二話 大正時代



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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 栗落花カナヲ   
作品ジャンル:アニメ
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七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白いです! (2023年3月25日 10時) (レス) @page26 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 抹茶らてさん» 続き、楽しみです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2022年11月14日 6時) (レス) @page25 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて(プロフ) - 廣岡唯さん» わあああっ!ありがとうございます。中々更新できずに居て申し訳ございません。少しずつですが更新していくので楽しみにしていてください(´˘`*) (2022年11月3日 16時) (レス) id: 8115b197e5 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月3日 11時) (レス) @page23 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぞれ x他1人 | 作成日時:2020年12月19日 8時

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