二十二話 皇 夕陽 ページ25
【旅館】
辺りが暗くなってきた頃に目的地に私と鴉は着いた。
鴉に連れてこられた旅館はお世辞にも綺麗とは言い難いほどに荒れていて、暗いからか大分雰囲気のある場所だった。
入口まで行こうとすると人影が見えた。
咄嗟に刀に手をやったが人影の正体がわかった瞬間手の力が抜けた。
人影の正体は最終選別で助けた夕日色の目をした少年だった。
私の肩に乗った鴉に私は話しかけた。
『あの、鴉さん。』
「
『あ、はい。朝凪さん。私共同任務なんて聞いてませんけど。』
夕日色の目をした少年に聞こえないほどの小声でそういうと朝凪さんは
「ワスレテイタ」
それだけ言って何処かへ言ってしまった。
嘘だろ朝凪さん。
どうしようか迷っていると背後から誰かが近づいてくる気配がした。
「あの、鬼殺隊の方ですよね?」
パッと後ろを振り向くと予想通りさっき見つけた夕日色の目をした少年だった。
「あ!!!あなたは確か最終選別の時の!」
あちらも覚えていてくれたらしく声をかけた時よりも柔らかい声で少年は言った。
『ひ、久しぶり…ですね?』
なんと声をかけていいのか分からず疑問形で答える。
「はい!あの時は助けて頂きありがとうございます。」
パァァァァっと言う効果音が付きそうなほどの笑顔で少年はそういう。
「あ、そういえば名前言ってませんでしたね。僕は
欠かさず少年…もとい、夕陽くん?は名乗った。
『私は胡蝶A。私も気軽にAでいいよ。』
あと、敬語もなしで大丈夫だよ。と付け足しながら私も名乗った。
「よかった…共同任務の相手がAさんで…」
ホッと胸を撫で下ろす夕陽くん。
「正直すごく緊張してたんだ……鬼殺隊の方って喧嘩っ早い人も居るらしいし…」
『へぇ……』
そういえば、蝶屋敷にも結構色んな鬼殺隊の隊員が来るな……
関わったことがないのであまり覚えている人も少ないが
『とりあえず、旅館の中に入ろうか。夕陽くん。』
「はいっ!」
まだ少し緊張が解けてないのか敬語混じりに夕陽くんはそう答えた。
私が入口まで歩いていくと夕陽くんは名前と同じ色をした目をぱちくりさせながら私の後ろを小走りについてくる。
ちゃちゃっと終わらせて早く帰ろう……
私はそう思いながら旅館に足を踏み入れた。
100人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白いです! (2023年3月25日 10時) (レス) @page26 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 抹茶らてさん» 続き、楽しみです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2022年11月14日 6時) (レス) @page25 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶らて(プロフ) - 廣岡唯さん» わあああっ!ありがとうございます。中々更新できずに居て申し訳ございません。少しずつですが更新していくので楽しみにしていてください(´˘`*) (2022年11月3日 16時) (レス) id: 8115b197e5 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月3日 11時) (レス) @page23 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みぞれ x他1人 | 作成日時:2020年12月19日 8時