58話 ページ9
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ジャガイモを切り終わり、次に玉ねぎを切ろうとしたらきりやんさんに取られた。
なぜだろうと見ていたら、玉ねぎを切りながらだんだん涙目になっていくきりやんさん。驚いてると情けないダミ声で「見んな」と言われた。
Kr「あともうちょっとだな」
『いい香り…』
大きな鍋には野菜やお肉がぐつぐつ煮込まれている。ふわり、とスパイスのいい香りが漂ってきた。
見慣れないたくさんの調味料はカレーのルーになるものだった。いろんなスパイスを組み合わせて作るそうだ。きりやんさんはそれを慣れた手つきで調合していた。
Kr「さーて、味はどうかな」
よく煮込まれたカレールーを少し小皿に取り、きりやんさんが味見する。
Kr「うん、いい感じだな。Aもほら」
『ん、これ美味しいです』
やっぱりきりやんさんは料理が得意なんだ。
そばで見てもわからなかったスパイスの組み合わせは、お店に出てきてもおかしくなさそうな味になっていた。
Kr「これで完成だな。手伝いありがとな」
『いえ、私はなにも…』
Kr「また手伝ってくれると助かるんだけど」
『! わ、私でよければ』
Kr「ついでに家の掃除も手伝ってくんね?アイツらサボるんだよ」
『いいですよ』
Kr「じゃー頼むわ。つか、ホントに飯少しでいいのか?もっと食べたくてもおかわりねぇからな?」
『それは大丈夫ですよ…』
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作者名:おやすみこ | 作成日時:2022年2月24日 10時