85話 ページ43
.
『……笑ったら、Broooockは満足するの？』
Br「え？」
『そう、だよね…もう終わらせたいよね…。私なんかがここにいていいはずないし……』
Br「え、まって、Aちゃん…っ」
ちがう、それは違う。誤解だ。
僕はこの日常を終わらせたくて「笑って」って言ったんじゃない。むしろ逆だ。ずっとこの日常が続いてほしいと思ってる。
僕は君を笑わせたくて、救いたくて、ずっと一緒にいたくて……………
顔を俯かせたAちゃんに手を伸ばした時、か細い声が僕の名を呼んだ。
『Broooock…最近変だよ』
Br「えっ…」
Aちゃんがゆっくりと僕を見上げる。大きな黒い瞳はゆらゆらと揺れていた。
『最近怒ったり、悲しそうにするのはどうしてなの？私なにかした…？Broooockに嫌なことしてた…？』
Br「ちがっ、ちがうよ！」
『じゃあどうして…？』
Br「それ、は……」
実は嫉妬しまくってて不機嫌なだけです、なんてそんなカッコ悪いこと言える？
助けたいとか元気づけたいとかカッコいいこと言っといて、内心嫉妬心と独占欲だらけになってる
何も言えず黙ったままでいると、Aちゃんの顔がどんどん歪んでいく。それはもう泣きそうで。
『……Broooockは私になんでも言ってっていうのに、自分は言わないの？』
Br「ッ！！！」
あぁ、その通りだ。
なんて……僕は、情けないんだろう………。
Br「……ごめん」
『あっBroooock…！待っ、』
パシッ！！！！！
『！！』
Br「…っあ」
この場から逃げたくて立ち上がった僕に、待ってと呼び止めたAちゃんの手を振り払ってしまった。そんなつもりなかったのに、つい衝動的に。
あ…そんな顔させたかったんじゃないのにな……。
Br「ごめん」
吐き捨てるようにこぼした言葉は何に対して謝ってたんだろう。
何も言えないことか、手を振り払ったことか、君にそんな顔させたことか、不甲斐ない僕を許してほしい気持ちからなのか。
全部な気がする。
一切振り返らず、家を飛び出した。
傷ついた顔した君を頭の中から振り払うように。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おやすみこ | 作成日時：2022年2月24日 10時
