74話 ページ32
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Nk「んーじゃあ質問変える。Broooockと一緒にいてどう？楽しい？」
『…どうだろう、わかんない。でも……』
Nk「でも？」
『Broooockといるとなんか落ち着く。笑った顔見ると安心するの。それに……』
Nk「ほぉ〜〜〜？それに？？」
『……………いや、なんでもない』
Nk「えぇっ！？なに？教えてよ！」
『なんでもないの』
Nakamuからの追及に逃れるように再び紅茶に口をつけた。
目の前の彼は私を見据えて真意を
Nk「うーーーん、気になるけど…まぁ今は聞かないでおくよ。でもそっかぁ、そんなふうに思ってたかぁ」
うんうん、と何度も頷くNakamuはどこか嬉しそうだった。そんな彼に私はあえて無言で返した。
続けて言おうとした言葉……それは「できることなら、ずっとBroooockのそばにいれたら…」という私の身勝手な願いだった。
あの陽だまりのような優しいあたたかさの中にいれたらどんなに心地いいか………。
Nk「ねぇ、A」
『なに？』
Nk「Aがいいなら、あの家にずっといていいんだからね」
『…！』
優しく細められた水色の瞳に、私の心の中を見透かされたのかと一瞬焦った。
たぶん行き場のない浮浪者の私に良心で言ってくれたんだろう。
……でも、どうしてそんなこと言うの。どうして私なんかにそう優しくするの…？
『私は……』
Broooockと一緒に居続けることを夢見ても、私には懸念することがあった。
彼は私がなにをしてきたのか知らない。
きっと想像ついてるだろうけど、それはあくまで想像であって、本当のことは……それを知られてしまったら………。
あんな太陽みたいにあたたかくてキラキラした人のそばに、私みたいなのがいるなんて本当は間違ってる。
ただ居心地がいいから、という理由だけで彼のそばにいていいはずないんだ。
ここで「NO」と言ってNakamuの優しさを突き放せたらよかったのに、なぜかその言葉は喉に引っかかって出てこなかった。
Nk「まぁ、頭の片隅にでも入れといて！」
『……うん』
Nk「俺はAたちのこと応援してるからね！」
『…？うん…？』
Nk「うん！」
私が小さく頷いたのを確認して、満足そうに笑ったNakamuは一口大に切ったパンケーキを頬張った。
ずっと美味しそうに食べてる彼を見やりながら紅茶を飲む。
砂糖を入れてないはずなのに、口に広がった風味がやけに甘く感じた。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2022年2月24日 10時
