73話 ページ31
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『それで…私に聞きたいことってなに？』
Nk「あっ、そうだった」
実はここへ来る道中、Nakamuに「聞きたいことがある」と言われていたのだ。
パンケーキを食べたいというのが本命だけど、そのことも重要らしい。シェアハウスで聞いてくれていいのに、と言った私に対して「Broooockに聞かれたくない話なんだよね」と声をひそめて耳打ちしてきた。Broooockに内緒にしなきゃいけない話ってなんだろう。
Nk「まぁ、そんな大した話じゃなくて俺の興味本位なんだけどね？」
『…？』
Nakamuは一拍、二拍と、もったいぶるように溜めたあとゆっくりと口を開いた。
Nk「AってBroooockのことどう思ってる？」
なんだ、そんなこと……と、ほんの数日前の私ならそう思っていただろう。きりやんに答えた通りに、「なにも思ってない」とNakamuにも返したはず。
今もそう返すつもりだったのに「なにもない」と言えなかった。
Nakamuに聞かれて初めて、私の中でBroooockの存在が無視できないほど大きくなっていたことに気がついた。
でも、今それに気付いたからといって、そのまま言える自分ではなかった。
結局、きりやんの時と同じように返した。
『どうって……なにも』
Nk「え？えーーーっ！なんかないの？こう…なんか、なんかさぁー！」
『声大きいよ…』
Nk「むぐ……俺はさぁ、Broooockは…あ、いやこれはさすがに言わない方がいいか…」
『？』
Nakamuが聞きたいのは“AがBroooockに対して好意を持っているか？”ということだった。
だが、Aはそれが本当に聞きたいことというのは知らないし、“Broooockに好意がある”という自覚もこの時点ではなかったのである。
Nk「(Broooockの方はもうわかり易すぎるくらいなんだよなぁ〜)」
NakamuはBroooockがAに好意を寄せてるのは知っていた。
本人から聞いたわけではない。だが、彼のずば抜けた観察眼、推察力とBroooockとの長い付き合いもあって、一瞬見ただけでBroooockの恋心に気付いたのだ。
ちなみに、二人のことをさりげなく見守ってるきりやんと、恋愛に疎いシャークんもこれに気付いている。
反対に、Broooockは自分がそんな風に見られていることに未だ気付いていないのであった。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2022年2月24日 10時
