72話 ページ30
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Nk「うわっめっちゃうまそう！あ、ちょっと写真撮っていい？」
『いいよ』
十数分待って運ばれてきたパンケーキにNakamuは目を輝かせた。
ふわふわ食感だという厚めのパンケーキに、これでもかというほどホイップクリームが乗っている。フルーツもたくさん盛り付けられていて、チョコソースやストロベリーソースでお皿にも可愛くデコレーションされている。
Nakamuは興奮した様子で何枚も写真を撮っていた。
やっぱりその姿は周りの席ではしゃぐ女の子達と大して変わらなく見える。いっそのことNakamuが彼女です、と言った方が通りそう。
Nk「よしっ、じゃあ食べよ！」
『Nakamuが全部食べていいよ』
Nk「えっいいの？そんなこと言われると遠慮しないよ？」
『いいよ、私そんなに食べれないから』
Nk「そ？じゃあ遠慮なく……んっ！！うっまー！」
『よかったね』
器用にナイフとフォークを使って、パンケーキを一口大に切り分け、ホイップをふんだんに乗せて頬張ったNakamuはたまらないと言った表情で喜んでいた。
美味しそうに食べる姿を見るだけで、こっちはもうお腹いっぱいになりそうだ。
Nk「A食べないの？おいしいのに」
『別にいいよ』
Nk「ん〜」
私は彼女役…いや彼氏役？で食べる口実のために連れてこられただけだし。
納得いってない様子のNakamuは、カチャカチャとカラトリーを動かしてまたパンケーキを切り分ける。
それを口入れる……じゃなくて、なんと私に差し出してきた。
Nk「あーん」
『えっ』
Nk「一応カップルっぽいことしないとね」
口元まで差し出されたパンケーキに戸惑うが、Nakamuは引きそうにない。水色の瞳がはやくはやく！と訴えている。仕方なくそれを口に入れた。
Nk「どう？？おいしい？」
『甘いね…』
見た目通り、いや見た目以上に甘かった。
口に入れた途端、ふわふわした食感にホイップクリームの甘さが舌に纏わりつく。私にはちょっと甘すぎかも…。
パンケーキと運ばれてきた紅茶を口直しに飲んで落ち着かせた。
チラリと目の前のNakamuを見ると、彼も紅茶を飲んでいた。顔を
テーブルの端にあったシュガーポットから角砂糖を摘まみポチャポチャと入れている。一つ二つに留まらず、どんどん入れてる。
『(甘党って聞いてはいたけど、さすがに入れすぎなんじゃ…)』
そんな私の心配をよそに、砂糖が大量に入った紅茶を彼は美味しそうに飲んでいた。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2022年2月24日 10時
