【WT】根無草は夜明け色の夢を見る-2-【Br】 (ページ26)

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私は今、大きなモニター画面の前にBroooockと肩を並べて座っている。
デスクの上には飲み物とBroooockが職場の人からもらったというお菓子が並べられている。それらをつまみながらアニメを見ていた。つまみながらと言っても、食べてるのはBroooockだけど。

私が手をつけないでいると、Broooockがチョコのお菓子を一つ手に取って口元に運んできた。

Br「Aちゃんあーーん」

『…………、あー…』

根負けして口をわずかに開けばチョコを押し込まれた。舌に乗った途端、とろりと溶けてチョコの甘さが口内に広がる。

Br「おいしい？」

『うん』

Broooockは味を占(し)めたかのように定期的にお菓子をつまんでは私の口元に運んできた。
これって餌付けみたい。咀嚼しながらそんなことを思った。

アニメを見ようと言ったのは彼なのに、Broooockは映像が流れる画面に目もくれなかった。
その代わりに私を見てる。柔らかく目を細めて、楽しそうに。
それがなんだか気恥ずかしくて、私は彼が見ないアニメを見てるのだった。気が散って内容が頭に入ってこないけど。

…なにか見るなら、どうせなら……………

Side Br

お菓子を食べつつ、Aちゃんと一緒にアニメを見る。
ま、僕は何回か見てるから見てないんだけど。それよりAちゃんを見てる方が何倍もいい。

Aちゃんの表情は特に変わらないし、なにも言わないけど、画面から目を離さないあたりちょっとは面白いって思ってくれてるのかなぁ。

お菓子に手をつけないから(無理やり)食べさせようとすれば、桜色の唇をわずかに開けて食べてくれた。
最初は渋っていたけど、何回か繰り返せばスムーズになっていった。

Br「どう？どう？面白い？」

スマイルが貸した本にずいぶんと夢中になって読んでたのはちょっと悔しかった。
ちょっとっていうかだいぶかも。僕がただいまって声かけるまで気づかなかったし。
でもその後、あえてなにも言わずにじーっと見てれば、Aちゃんが痺れを切らしたように話しかけてくれたのが面白くて、嬉しかった。
同時に可愛くも思えて、モヤモヤした気持ちは一瞬にして飛んでいった。

『……Broooockの』

Br「ん？」

『Broooockがしゃべってるの見るほうが、いい、かも』

Br「っへ！？」

どういうことそれ？
言ってる意味わかんないけど、なんか嬉しくなっちゃうんだが？

混乱する僕を横目に、彼女は遠慮がちに口を開いた。

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